モヤモヤや不安、イライラなど、ネガティブな感情に振り回されてしまう。
そんなときは、「コントロールできるもの」と「できないもの」で分ける。そして、自分ではどうにもならないことに目を向けるのはやめる。そうすると、だんだんと「コントロールできるもの」に意識が向くようになる。
『ズバ抜けて結果を出す人だけが知っている 感情に振り回されないための34の「やめる」』(ぱる出版刊)は、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの著者・片田智也氏が、感情を無理矢理「コントロール」して抑えつけるのではなく、上手に「マネジメント」して準備・対処する、感情マネジメントの方法を紹介している。
不安な気持ちを持っていた方が結果を出しやすい?
人間関係、仕事…不安が尽きない日々を送っているとき、その不安を「ダメな人、弱い人の証拠」と考えてしまうことがある。しかし、それは誤解であり、本書では不安になれるのは「結果を出せる人の条件」だとしている。
社会心理学者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが学生を対象に学力テストを実施し、さらに結果に対する自己評価をさせる実験を行ったところ、成績が良かった学生ほど「自己評価が低いこと」がわかった。つまり、結果を出せる人のほうが「できていないかも」と不安になりやすいということだ。
不安とは「そのままだと危ない」と対処を促すための信号だ。より小さな誤りにも気づける「不安を感じやすい人」のほうが、致命的なミスを避けられ、うまくことをこなせる。さらに、不安を覚えやすい人は安心安全のハードルが比較的高い。OKの基準の高いからこそ、良い仕事もできる側面がある。
不安は本来、リスクに備えるための機能。不安にとらわれてしまうことを「良くない」と思っているならば、実はそうではない。不安は「よい悪い」で測るものではないのだ。
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「不安」の他にもさまざまな感情のマネジメント方法が説明されている本書。たとえば「イライラ」のマネジメント方法では、「イライラさせられている」という周囲に振り回されている自分を抜け出し、「イライラしている」という主体的になることが大事だと述べられている。
主体的になれば、コントロールをすることが可能だ。どうにもならないことに感情を振り回されるのではなく、自分でコントロールできることを見つける。そうすることで、感情をマネジメントできるようになるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。