相手の本音を知りたい。プライベートでもビジネスのシーンにおいても、そう思うときがある。また、コミュニケーションが苦手な人は、相手の顔色をうかがいすぎて上手に会話を進められないこともある。
どうしたら相手の本音を引き出すことができるのだろうか?
『難しい相手もなぜか本音を話し始めるたった2つの法則』(日経BP刊)では、フリーアナウンサーの牛窪万里子氏が、会話を通じて相手の本音を引き出すための新しいヒアリングメソッド「油田堀メソッド」を紹介。受け身でもできる質問テクニックを伝授する一冊だ。
会話が苦手でも「オウム返し」で相手を掘り下げる
「油田堀メソッド」の特徴は、相手に質問するときに一つの話題を「深く狭く聞いていく」ことだ。
相手の発したキーワードを拾い、それをオウム返しのように繰り返しながら次の質問をしていく。そうすることで、相手の自覚していない思考や本音を引き出しやすくなる。
では、なぜオウム返しがこのメソッドのキーワードとなるのか。
もしその言葉が自分の知っている言葉だとしても、相手は違う意味で使っているかもしれない。だから、相手の話を正しく聞くには、相手が使った言葉の正しい意味を知る必要がある。
相手が発したキーワードをそのまま受け止め、全く同じ言葉を使って次の質問をする。これなら相手も違和感を覚えることなく、心を開いてくれるはずだ。
そのうえで、「この言葉の意味は何ですか?」と意味を明らかにする質問を何度も重ねることで、相手の発言の背後に隠れている本音を引き出せるようになる。
これは相手のキーワードをオウム返しするテクニックなので、気の利いた質問を考えることと比べれば、会話のセンスや場数がなくても有効。会話が苦手な人でも、すぐに活用できるだろう。
また、聞き上手になるためには「聞く7:話す3」を心がけるのがいいという。「聞くが7割」を身につけるコツは「相手の話を途中で遮らない」ことに意識を集中すること。
「そういえば、私も」と相手の話を遮って自分の話を始めてしまうパターンはあるあるだが、この「そういえば、私も」を禁句にすることが、聞き上手になる第一歩だ。
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牛窪氏がアナウンサーとして27年間、インタビューの仕事を通して身につけたノウハウと新たに学んだスキルを組み合わせた油田堀メソッド。大切なのは、どんな相手でも関心を持って接することだと牛窪氏は述べる。会話が苦手と悩んでいる人は、本書から油田堀メソッドを学び、実践してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。