仕事はとかくストレスと隣り合わせ。限られた時間内でパフォーマンスを出さなければいけないプレッシャーもあるし、立場が上がるにつれ責任は増していく。パワハラやセクハラなど人間関係からくるストレスもある。
メンタルダウンは誰にでも、ある日突然やってくる。
日々どんな精神状態で過ごせるかはその時の状況にかなり影響されるもの。「俺はメンタルダウンすることはない」と豪語していた、自他ともに認める「鋼のメンタルの持ち主」が突然うつで働けなくなってしまったという話は特段珍しくはない。
元自衛隊員が経験した壮絶なパワハラ
メンタルは鍛えられません。強くなりません。私も厳しい訓練を耐え抜いたり、過酷な環境で仕事をしてきましたが、ひとりの上司のパワハラでポッキリ折れてしまいました。
こう語るのは『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』(ダイヤモンド社刊)の著者、わびさん。かつて幹部自衛官として活躍していたわびさんは、上司からの壮絶なパワハラにあい、メンタルダウンした経験を持つ。人格否定や大勢の前での個人攻撃を繰り返し受けたことによって、一時は「(コーヒーの銘柄を怒られるのではないかということで)缶コーヒーも買えなくなった」という。
しかし、そこから立ち直る過程で、自分の心身を削らない仕事の仕方やパワハラへの対処法を身につけ、現在は活動の場を自衛隊から民間企業に移して活躍している。仕事のストレスの種類は職場やポストによって違う。自分のメンタルを守る普遍的な方法はあるのだろうか。
折れないメンタルを持つ自衛隊員の共通点
そもそも、日々厳しい訓練をしている自衛隊員は、比較的忍耐強い人が多い。ただ、そんな自衛隊員たちでも、メンタルダウンをする人もいれば、絶対にメンタルが折れない人もいる。わびさんによるとその違いはメンタルそのものの強さではなく「心の持ちよう」なのだという。
メンタルダウンをしない自衛官にはこんな共通点があったという。
・仕事に依存しすぎない
・コントロールできないことに執着しない
・信じるものがある
仕事に依存しすぎないというのは、没頭できる趣味など仕事を忘れられるものがあるということ。
「他人の感情」も「相手方がボールを持っている仕事」も自分ではコントロールできない。これをわかっている人は、上司がどんなに激怒していても平然としていられる。
自分でコントロールできることに集中するということは「他人にどう思われるか」や「他者からの評価」を捨てることでもある。これは「他人の気持ちを考えないこと」とも通じるため、一種の冷酷さでもあるが、この割り切りができる人ほどメンタルを病みにくい。
また、宗教などとは別に「自分の生きざまはこうだ」という確固たる人生観がある人も強い。これが「信じるもの」の正体である。
この3つを兼ね備えた人はメンタルの調子を崩しにくいはず。まずは仕事以外に没頭できる趣味を見つけることから始めるのがいいかもしれない。
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これらの心の持ちように加えて、本書ではメンタルを消耗させない働き方のポイントやパワハラへの対処法が明かされている。
おそらくその中には自分の立場や職場では実践するのが難しいものもあるはずだが、できることから実践してみるだけでも、ストレスフルな毎日を送っている人が現状を変えるきっかけになるはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。