大手企業による、2015年3月に卒業する大学生の採用活動が、明日12月1日に解禁される。各企業は自社ホームページや「リクナビ」「マイナビ」といった求人サイト上で学生の登録を受け付け、会社説明会を開催するなどの採用活動を本格化させていく。
さてこの「12月1日の解禁」、メディアでも「就活解禁」などと報じられているためカン違いしている就活生が多いのだが、これはどうもミスリードな感がある。あくまで「経団連に所属し、倫理憲章を守る企業」が「新卒採用活動」を行うことが解禁になるだけあり、就活が一斉にスタートするという意味ではない。
事実、経団連に参加していない外資系企業やベンチャー企業はこの憲章を守る必要はないため、すでに選考を開始していたり、応募を締め切ったりしている企業もある。したがって就活生は「12月から解禁だから」とのんびり構えていると、貴重なタイミングを逃してしまいかねないのだ。
今回は、あたかも正しい情報かのように流布している「ミスリードの情報」から、就活生がカン違いしてしまいやすいものを挙げ、誤解を解いていくかたちで「今年の就活は例年とどのように違うのか」を明らかにしていきたい。ぜひ就活生の皆さんには、まやかしに打ち勝つ「情強」であってほしいものだ。
【就活に関する誤解】
(1)12月から就活解禁だから、今からスタートダッシュすれば充分だ
(2)求人倍率は改善傾向だから、内定を得るのは以前よりラクになっている
(3)学歴フィルターの対象が拡大傾向だから、高学歴でなくても大丈夫
●誤解(1):12月から就活解禁だから、今からスタートダッシュすれば充分だ
どうも、今年の就活生は全体的に「のんびり」しているように感じる。上位校もFランク大学も、首都圏も地方もまったく同じ。この感覚については筆者のみならず、各大学のキャリアセンターの皆さんも同じ意見である。
実際、筆者が11月中旬に早稲田大学の就活講座で登壇した際、「すでに自己分析を進めている人は?」と質問したところ、挙手したのは100名中1桁程度であった。「ではいつやる予定なのか?」と問うたところ、「書類提出のタイミングでやればいいか、となんとなく考えてました」などという。
もちろん、人によって適切なタイミングがあるため一概にはいえないのだが、大多数の就活生にとってこの「のんびりムード」は危険だ。なぜならこれからの約半年間は、就活において「やるべきこと」が山積みである割に、「かけられる時間」はそれほど多くはないからだ。
しかも、2年前からの「採用活動時期繰り下げ」に伴い、スタート時期は10→12月へと後ろ倒しになっているにも関わらず、大手企業の内々定(実質的な内定)が出るタイミングは4~5月のまま変わらない。やるべきことは後倒しにせず、早急にとりかかる必要がある。