きんは100歳、ぎんも100歳! 筋トレブームの先駆けはご長寿双子だった !?
あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
今回のテーマは、きんさん・ぎんさん。100歳の長寿双子姉妹として社会現象を巻き起こした2人の軌跡を振り返ります。
1991年、1つのキャッチフレーズで人気に火がつく
“きんは100歳、ぎんも100歳!”
誰もが一度は聞いたことがあるこの名文句、そもそもの出どころは何だったか覚えているでしょうか? 答えは、1991年に放送されたダスキンのテレビCM。正確には「きんは100歳100歳、ぎんも100歳100歳。ダスキン呼ぶなら100番100番」と謳われていました。まるで「人生100年時代」と呼ばれる今の時代を先取りしたかのような、このキャッチーなフレーズによって、名古屋市在住の双子のお婆さん・成田きんさんと蟹江ぎんさんは、瞬く間にお茶の間のアイドルになりました。
きんさんとぎんさんは、共に1892年(明治25年)8月1日生まれ。1892年というと、日本では伊藤博文の第2次内閣が成立し、北里柴三郎と福澤諭吉による伝染病研究所が設立され、アメリカにおいて、エジソン総合電気とトムソン・ヒューストン・カンパニーが合併し、ゼネラル・エレクトリック社が誕生した年。ちなみに2人と同じ年に生まれた有名人は、小説家の芥川龍之介、西條八十、J・R・R・トールキンなどです。
日本最高齢のレコードデビュー記録を達成!
さて、きんさん・ぎんさんは、その愛らしい見た目とキャラクターによって『笑っていいとも!』(フジテレビ系)をはじめとしたバラエティ番組へ引っ張りだこに。さらに、1992年にはシングル「きんちゃんとぎんちゃん」(ポニーキャニオン)で日本での最高齢レコードデビュー記録を達成し、新語・流行語大賞の年間大賞を獲得するなど、大活躍。100歳を超えているにもかかわらず新しいことに次々と挑戦し、メディアでセカンドライフを元気いっぱいに謳歌しているその姿は「理想の老後像」とまで形容されたものです。
それにしてもなぜ、これほどの長寿でありながら、きんさん・ぎんさんは元気でいられたのでしょうか?
一説によると「筋トレ」や「ウォーキング」が、その秘訣だったのではないかといわれています。きんさんは「ハムストリングス強化運動」という下半身を鍛えるトレーニングを実践し、また、ぎんさんは30分のウォーキングを毎日欠かさず行っていたとのこと。こうした日々の小さな積み重ねが、健康の源だったのかもしれません。
2000年にきんさんが、翌2001年にはぎんさんが逝く
しかし、老いはどんな元気者にも平等に訪れるもの。まずは2000年1月23日に姉のきんさんが心不全で亡くなってしまいます。享年107。当時ワイドショーなどで報じられた、残された妹・ぎんさんの悲痛な表情を覚えているという人も多いことでしょう。
その後、後を追うようにして翌2001年2月28日に、ぎんさんも満108歳で老衰のため還らぬ人に。2人共に明治・大正・昭和・平成と4つの時代をまたぎ、ぎんさんに至っては「世紀またぎ」を二度経験するという大往生中の大往生を遂げたのでした。
なお余談ですが、ぎんさんの娘たち通称「ぎんさん四姉妹」も皆長寿で有名(次女のみ幼くして夭折)。四女・佐野百合子さんと五女・蟹江美根代さんはどちらも95歳で天寿を全うしたものの、長女・矢野年子さんと三女・津田千多代さんは100歳を超えても存命しているとのことで、すごいとしか言いようがありません。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、お待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)
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