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実用化が加速する全機種対応の規格「Qi」に迫る!

いつでもどこでも、スマホをワイヤレス充電できる日も近い?

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「Qi」のロゴが入った場所に対応機器を置くと
充電できる、日立マクセルの充電パッド
「WP-PD10S.BK」
 スマートフォンは毎日充電しなければならない。毎日どころか、使い方と機種によっては1日使い放題というわけにもいかず、予備バッテリーを持ち歩いたり、オフィスでも充電したりと工夫しなければならない状態だ。充電用のケーブルを持ち歩いたり、オフィスに常備しているという人も多いだろう。ケーブルを取り出して接続するという簡単な動作も、回数が増えると面倒になる。

 そうした問題に立ち向かおうというのが、ワイヤレス充電の国際規格「Qi」だ。

 これで「チー」と読む。2010年に制定された、かなり新しい規格だ。従来からケーブル接続や接点の接触なしで手軽に充電できるワイヤレス充電機器はあったが、各社ごとに採用している規格が異なっていたため、結局は特定充電器と特定機器の組み合わせでしか使えないものになっていた。この状態を、標準規格をつくることで改善しようとしたのが「Qi」だ。

「Qi」は、電磁誘導という仕組みを採用している。送電側から磁界を発生させて、受電側のコイルと共振することで電力を発生させる仕組みだ。コイル同士が近いほど充電効率はよいが、多少離れてもしっかり充電できる仕組みも盛り込まれている。おかげで、充電用マークの上に対応機器をぴったり置くのではなく、多少いいかげんな置き方でも充電できるという便利さが生まれた。

 現在のバージョン「Volume 1 Low Power」では、5Wまでの電力供給が可能だ。USB充電で使っているスマートフォンやゲーム機等は、十分充電できる力を持っている。将来的には120W程度までの電力供給が可能になる予定だ。

「Qi」充電器埋め込みテーブルやカウンターが登場

 すでに「Qi」対応の機器はいくつも登場している。充電できる機器としては、スマートフォン、モバイルバッテリー、充電対応乾電池への充電器等が中心だ。中には、「Qi」非対応のスマートフォンに取り付けて使えるスマートフォンカバーもある。充電器としては、パッド型の充電ステーションとスマートフォンを載せて使う充電スタンドが中心であり、一部フォトストレージなどスマートフォンと親和性の高い機器に組み込まれているものもある。

 現在は、「Qi」対応スマートフォンはドコモの製品に偏っているものの、ソフトバンクからもわずかながらリリース済み。KDDIも車載用の充電器を参考出品しているなど、徐々に普及の兆しは見えている。特にドコモは、「おくだけ充電」とサービス名もつけ、11年冬からはシーズンごとに5モデルほど対応機種を送り出すなど熱心だ。

ワイヤレス充電家具も登場!

 このタイミングでもう1つ、おもしろいものが登場した。「Qi」対応のワイヤレス充電家具だ。

 先に述べたように、充電器と完全に密着させる必要のない電磁誘導方式であるため、電気を通すものを間に挟んでしまうこともできる。この特徴を利用して、木製家具に「Qi」の充電器を埋め込んだ家具を岡村製作所が作成した。製品として用意されているのは丸いハイテーブルと丸脚のテーブル、アクセスボックス、カウンターの4種だが、オーダーでのオリジナル家具も発注可能だ。