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各党獲得議席数を大胆予想

参院選結果で、憲法改正を軸に政界大再編!?民主分裂をさぐる自民の思惑

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 このような状態を鑑みて、時期参院選の各党獲得議席数を大胆に予想してみた。

政党名 開戦前議席 当選予想 非改選議席 合計
民主党 44 17 42 59
自由民主党 34 64 50 114
公明党 10 11 9 20
生活の党 6 1 2 3
みどりの風 4 0 0 0
みんなの党 3 4 10 14
日本共産党 3 4 3 7
社会民主党 2 1 2 3
日本維新の会 2 3 1 4
諸派・無所属 8 1 1 2

 この表のように、自公与党で134議席となり過半数の122議席を大幅に上回る議席数となると、私は予測する。これによって、今後3年間は衆議院の解散がない限り、そして安倍首相の体調に問題がない限りにおいて、安定した政権が期待される。そして、この安定政権によって、通常の法案はすべて可決通過することになり、無意味な問責決議などによって法案通過が阻害される心配はなくなるだろう。

●自公政権になって「憲法改正」はどうなるか?

 しかし、今回の参議院選挙は単純に「安定政権」というだけではなく、「憲法改正」という公約が期待されている。憲法改正は、昨年12月衆議院選挙以来の安倍政権の公約であり、また国際的な会議の場でも表明している、いわゆる国際公約である。

 自民党の公約にける憲法改正は、まず憲法96条の憲法の改正要件を改正するというということになっている。しかし、その条文を緩和するように改正することも、現在改正条件となっている「国会議員の3分の2」以上で、国民の過半数の賛成が必要になるのである。そのために、参議院においても3分の2以上の賛成が必要になるのである。現在、衆議院では3分の2以上の国会議員を擁しているが、参議院はどうか。

 参議院の3分の2は162議席である。この予想を基に考えれば、自民党だけでは3分の2はおろか単独での過半数も難しい。連立与党の公明党は「憲法改正」ではなく「加憲」を表明しているために、完全に反対ではないものの、その行動には制限がある。また、改憲派である日本維新の会は4議席しかないということであれば、結局3分の2の議席を持つことができないということになる。自民党はこのために民主党の切り崩しを行なわなければならないということになる。

 民主党は、今回の国会でもわかったように、国益よりも党利党略で反対のための反対を行う。そのために、民主党が政党として自民党の政策に加担することはまずないとみて間違いはない。そこで、自民党安倍政権は、民主党が今回の参院選で惨敗することによる混乱に合わせて、民主党を分裂させることで3分の2の議席を得ることを画策する。

 そもそも民主党は、保守派と革新派が混在している政党である。そのために民主党が政権を担っているときも、その政策が一致せずにいたのである。安倍首相はこの保守派と革新派の亀裂に目をつけて、考え方の合うほうと組むということになる。

 要するに参議院選挙後憲法改正のために、そして民主党の惨敗の責任をめぐって、再度政界再編が行われる可能性が強いということになるのである。参議院選挙後には「改憲派」と「護憲派」という機軸で政界再編が行われる可能性があるのだ。もちろん安倍首相は、G8に参加した時に各国に対して「自信がある」と表明しており、すでにそのめどは立っていると考えられるだろう。

 今回の参議院選挙はその結果よりもその後の展開、特にその後の政界再編に注目されるところである。もちろん、完全にそのようになるかは不明だが、しかし、その結果が、日本の政治においてかなり大きなうねりになるのではないか。
(文=宇田川敬介)

BusinessJournal編集部

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