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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(10月第1週)

日経平均、年末に向け1割下落?1万6000円台に上昇?年明けはNISA活況確実

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(「写真素材 足成」より)
 「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/10月5日号)は、「・投信の攻め方 守り方」という特集を組んでいる。「東京五輪決定という追い風を受けて、株式市場に再上昇の兆しが現れた。しかし、今度は簡単に勝てる相場ではなさそう。万全の準備で臨みたい」という投資特集だ。

 FRB(連邦準備制度理事会)は、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和縮小の見送りを決定。予想外の決断に金融市場は混乱したが、投資家は比較的冷静だ。というのも、世界的に景気浮揚機運が高まっているからだ。日本市場でも、企業業績の上方修正期待が株価を下支えする。「年内は底堅く推移する」とのシナリオが市場では優勢で、日経平均株価は年内に1万6000円に達し、来年3月末までに1万8000円になり得るとの声も出てきている。

 ただ、今年5月にかけてのアベノミクス相場では、ほとんどの銘柄が一斉に上がったのに対して、今回は値上がりする銘柄と値動きの重い銘柄に二極化している。丁寧な銘柄選びが求められる相場だといえる。

 特集記事「1万6000円台回復は『岩盤規制』対応がカギ アベノミクス相場第2幕に備えよ!」では、「市場参加者が日本株の先行きに対してあまり強気になることができないのは、消費税議論の趨勢よりもむしろ、雇用、医療、農業など『岩盤』と呼ばれる分野の規制に安倍内閣がどこまでメスを入れるかを測りかねているためだ」とする。

 つまり、投資家の立場に立って岩盤規制を含め、もっと規制緩和をすべきだという記事だ。しかし、この記事、どこか奥歯にモノが挟まったような言い方になっている。というのも、雇用問題などで労働者寄りの立場に立つ東洋経済としては、本来ならば岩盤規制があってこそ、生活者の環境が維持されるという立場を取るべきだからだ。投資特集のために、労働者サイドではなく投資家サイドの主張をどこまで書くかというジレンマに直面し、書き方にためらいが見られるのだ。

 今後の米国の動きは、2014年1月末に任期満了を迎えるバーナンキFRB議長の後任人事と、12月17・18日のFOMCまでには決まる公算の大きい緩和縮小に注目だ。

●投資利益への増税とNISAスタート

 日本では、株式や投資信託の値上がり益や配当になどにかかる税率が、現在の10%から14年には20%へと変わるため、12月にかけて駆け込み的な利益確定売りが出てくることが予想され、日経平均が約1割下落するおそれが指摘されている。

 しかし14年に入ると、税率20%がかからない例外的な扱いとなる少額投資非課税制度NISA(ニーサ)が始まる。NISA専用口座では最長5年間、年100万円まで上場株式、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、公募株式投資信託などへの投資について、売却益や配当金・分配金が非課税となる。最大で同時に500万円(100万円×5年)までの非課税枠を持つことができる。20歳以上の国内居住者が対象で、1人1口座を持つことができる仕組みだ。

 日本証券業協会によると、NISA専用口座開設が始まった10月1日時点の見込みでは、口座開設数は322万に達すると予想されている。ただし、非課税の対象となるのは14年1月以降に新たに投資したものに限られるため、NISA投資が始まるのは年が明けてからだ。

 特集記事「非課税枠はおいしいが口座開設ありきは危険」では、NISA投資の注意点が書かれている。非課税口座は、1人1口座を新規で開設する必要があるが、4年間は金融機関を変更できない点などが挙げられている。

 ライバル誌「週刊ダイヤモンド」も、7月にNISAについて特集を組んでいる(詳しくは「高齢者マネーを襲うワナ…NISA口座争奪戦でハイリスク&高額手数料商品の売り込み過熱」)。

 14年1月に入れば、1人当たり100万円規模の投資マネーが市場に大量流入することになるのは間違いなさそうだ。
(文=松井克明/CFP)