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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(10月第4週)

崩壊寸前の医療~麻酔医・がん専門医の不足深刻化で治療困難の懸念も…頼れる病院の見分け方

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「Thinkstock」より
 「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/10月26日号)は「頼れる病院ランキング」という特集を組んでいる。「選ぶ病院、医療に使えるカネ、住む地域によって、患者が受けられる医療には格差が生まれる。病院間で医療機能には差があり、自腹で使える予算によって選択できる治療の範囲は変わる。住む街によっては救急医療が崩壊寸前だ。医療格差時代に賢く病院や治療法を選ぶすべを紹介する」という内容だ。

 この病院ランキングは、毎年この時期恒例の特集だ。

 「頼れる病院」といえば、スーパードクターや、豪華な内装の病院をイメージするかもしれないが、本当に頼れる病院とは、医療機能の要となる分野の人やモノをしっかり確保している病院だ。

 例えば、産科医や小児科医の不足はよく知られるが、現在、深刻なのは麻酔科、放射線科、病理科の医者だ。麻酔医がいなければ手術はできない。高度な画像診断装置や放射線治療装置があっても、放射線領域の医師がいなければ診断や治療は行えない。病理医がいなければ、治療前や手術中にがん細胞の診断ができない。手術時間はむしろ麻酔医や病理医のスケジュールに合わせて決定されているのが実態だという。

●がん診療に欠かせない病理医の不足

 中でも、がんの診断で「悪性か、良性か(がんか否か)」を判定する病理医を、常勤で抱えられる医療機関は、実は非常に少ない。「全国に一般病院が約7500あるのに対し、病理医はわずか2100人ほどしかいない。地域の偏在もあり、福井県はたった9人だ。がんを専門に扱うがん診療連携拠点病院であっても、381病院中53病院は常勤病理医がいない」

 病理医は「どのような類いのがんなのか、俗に言うがんの性格や顔つきを診断する。診断結果によって治療方針も変わってくる。最近は特定のタンパク質や遺伝子を持つがんには、非常に効果のある分子標的薬などが登場しており、どんな抗がん剤が効くのかも判断する」。常勤であれば、患者の情報や医師の見立てなどを互いにすり合わせて診断の確度を高め、治療方針を固めていくことができるのだが、非常勤では難しい。検査センターに委託されることもある。

 医師全体が地域偏在の状態だが、病理医の逼迫度はより偏在度が増してくる。がん治療でいえば、抗がん剤による治療を行う腫瘍内科医や、痛みを取る緩和ケア医も不足している。不足している病理医、麻酔医、放射線医、腫瘍内科医、緩和ケア医などの配置状況もチェックするためには「施設基準」で判断したい。

●頼りになる病院ランキング

 施設基準とは、厚生労働大臣が定めた医療機関の機能や設備、診療体制などの基準のこと。この基準を満たせば、医療機関は診療報酬を得られる仕組みになっているという。各医療機関の院内掲示、病院のホームページなどでチェックできるという。

 医療機能と経営状態で実力のある頼れる病院はどこなのか。アンケートと公表データから収集した独自の13指標で評価し、全国および都道府県別にランキングを作成した。今回は「医療機能」に9つの指標(医療スタッフの充実度など)を設けた。

 1位:横浜市立大学市民総合医療センター(神奈川県)、2位:千葉大学病院(千葉県)、東海大学病院(神奈川県)、滋賀医科大学病院(滋賀県)、5位:獨協医科大学病院(栃木県)、聖路加国際病院(東京都)、東京医科歯科大学病院(東京都)、東邦大学医療センター大森病院(東京都)、関西医科大学枚方病院(大阪府)、鳥取大学病院(鳥取県)となった。横浜市立大学市民総合医療センターの1位は2年連続。医師数や病床数が多く、医療機能もそろえやすい大学病院が強さを見せている。
(文=松井克明/CFP)