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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第22回

虫よけ、どれを選ぶべき?誤ると炎症も 海外旅行ではアースノーマットとバポナを

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「Thinkstock」より

生化学分野に精通し、サイエンス・コミュニケーターとしても活動するほか、教育機関で教鞭も執っているへるどくたークラレ氏が、薬局で買える医薬品や健康・栄養食品を分析!配合成分に照らし合わせて、大げさに喧伝されている薬や、本当に使えるものをピックアップする。

 これからの季節、キャンプバーベキューと屋外での活動が増えてくる人も多いでしょう。そうなると、虫よけや虫さされ薬が必須になってきます。

 ところで、虫よけは農薬、虫さされ薬は医薬なので、併せて解説されている記事はほとんど見かけません。薬店にいる薬剤師でも、虫さされ薬には詳しくても、虫よけと殺虫剤の区別はつかないという人が多いようです。

 薬店には虫対策コーナーに大量の製品が並び、一体どれを選べば良いのか判断が難しいところですが、上手に虫よけを選べば、害虫に余計な気を取られずに屋外でも快適に過ごせます。

 そんなわけで今回は、虫よけの選び方をご紹介します。

 虫よけは、場面に合わせて使用することが大切です。山の中などで、むやみに薬剤を使用すれば、虫よけ効果を十分に得られないだけでなく、環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。

●虫よけの歴史

 その昔、藁葺きの家に暮らしていた時代から、ショウブに虫が寄りつかないことに目をつけ、寝具の下にショウブでつくったゴザを敷いたりして活用していました。また、乾燥させたヨモギや柑橘類の皮を燃やし、その煙で害虫を寄せ付けないようにしていました。

 明治18年、地中海に面するセルビアから除虫菊(シロバナムシヨケギク)が日本に持ち込まれ、虫よけの研究が始まりました。明治38年、日本除蟲菊貿易合資會社が設立され、同社が発売した蚊取り線香が大ヒットしました。この会社が、現在「金鳥」で知られる大日本除虫菊株式会社です。

 除虫菊には、殺虫効果のあるピレスロイド(ピレトリン等の複数の有効成分の総称)という有効成分が含まれ、多くの殺虫剤は、このピレスロイドを発展させたものや、成分を模したものからつくられています。

 ピレスロイド系薬剤は、哺乳類や鳥類にはほとんど無害な神経毒であり、昆虫の生理メカニズムに一致する毒です。ただし、昆虫全般に効くため、例えば、蚊を退治するつもりで蚊取り線香をスズムシやカブトムシの入ったケースの横で焚くと、これらも死んでしまうので注意が必要です。また、熱帯魚やエビ、ヘビやトカゲなどの爬虫類も感受性が高いことが多く、スプレータイプの虫よけをはじめ電気式の据え置き型蚊よけでも悪影響が出ることがあるので注意が必要です。

●塗り薬タイプの虫よけの主成分はたった1種類

 玄関に吊すタイプや網戸や床に塗るタイプについては当連載の記事『キンチョールだけでは全然ダメ! 絶対ゴキブリを出さない害虫駆除』で説明済みなので、省略します。家の中に害虫を入れないという点では、日本にはかなり優秀な商品が出揃っており、数種類併用すると、かなりの効果が期待できます。