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IT技術者が足りない?需要増大、大型開発案件山積…新3Kの業界イメージで志望者減も

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「Thinkstock」より
 IT技術者が不足している、という声が多く上がっている。人材不足はIT業界全体に共通している事態のようだが、現状と不足している理由、そして今後について考えてみたい。

 少子高齢化が叫ばれて久しいが、日本の人口構成のうち最も人数の多い団塊の世代は、遅くとも来年までにほぼ退職してしまう。彼ら自身の経済的な問題と企業側の人材確保の思惑から、再雇用や雇用延長も行われていたが、それでも引退は秒読みとなった。

 これに対して、新社会人世代の人数は少ない。40歳前後に“団塊ジュニア”と呼ばれる人数の多い世代はあるものの、その下の世代は人数が減り続け、今後も増える見込みがなく、働き手は減るばかりだ。

 これは社会全体の傾向で、IT業界でも物理的な人数が減るのは当然といえる。しかしIT技術者の需要は増え続けている。スマートフォン(スマホ)が急速に普及したことで、これまでソフトウェアとは無関係だった企業までがオリジナルアプリのリリースを画策している。

 スマホのほかにも、家電や自動車などモノにコンピュータを搭載する「モノのインターネット」(Internet of Things)が今後急速に発展することが予想され、システム開発が急務となってきている。

 需要は増えているのに人数が減るのだから、物理的に人数不足となることは自明の理といえる。

●ブラックなイメージが定着したIT業界

 しかし通常は、需要がある業界には人も集まるはずだ。ところが、ITエンジニアが増える様子はない。一体なぜなのだろうか?

 いくつか理由が考えられるが、まず単純に不人気な業界になってしまったことが大きな問題である。

 一昔前までは時代の最先端を走る職業として「よくわからないけれど、なんとなくカッコイイ仕事」と考えられ、IT系を志望する学生も少なくなかったが、いまやIT系の仕事に漠然とした憧れを抱く若者などいない。

 果てしなく続く残業と泊まり込みも珍しくないばかりか、休日出勤も日常茶飯事。「ワガママなクライアントに振り回されて、長時間の苦労が水の泡になった」などの話が、時に深刻な問題として、時におもしろおかしい業界ネタとして、各メディアで紹介された結果、IT業界は「きつい、帰れない、給料が安い」など“新3K”と揶揄されるほどマイナスイメージが定着している。

 学生に対するアンケートでは、就職したくない企業や業界の上位には、不祥事を起こした企業と“ブラック企業”が並んでいる。どういう企業にも多かれ少なかれきつく厳しい部分はあるはずだが、昨今は特にブラックさに敏感だ。それゆえ、業界丸ごとブラックだと思われているIT業界には人が集まりづらくなっている。