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恐怖のエボラ出血熱、日本での流行の可能性は本当に低い?そのカギを握るのは中国?

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中国でもよく食べられるオオコウモリ(Shutterstock.com
 今年3月に西アフリカのギニアで発生したエボラ出血熱の流行は、その後、同国に隣接するシエラレオネ、リベリアにも飛び火し、世界保健機関(WHO)の報告では、8月19日までに疑いを含む2240人の感染報告があり、1229人が亡くなっている。WHOは8月8日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」との認識を示し、感染拡大防止に国際的な協力を訴えた。

 これまで、日本でのエボラ出血熱の感染報告はなく、リベリアで感染してスペインに搬送された司祭が死亡した例を除いては、アフリカ以外での感染もなかった。しかし最近、ギニアとナイジェリアで働いていたミャンマー人がヤンゴン空港でエボラ出血熱の症状が認められ、病院へ緊急搬送されている。また、ナイジェリアからインドに到着した男性にエボラ出血熱の兆候が見られ、やはり病院に搬送されている。香港滞在中のナイジェリア男性に感染の疑いがあり検査されたが、陰性だったと報告されている。こうした複数の報告を見るにつけ、各国の水際でどれほど感染者の流入を防ぐことができるのかは不明だ。

 エボラウイルスは、血液、唾液などの体液や排泄物との接触、あるいはこうしたものの飛沫を通じて感染し、空気感染の可能性は否定されている。中央アフリカ、西アフリカの感染者と直接の接触がなければ、まずは感染しない。日本からこの地域への渡航者や逆にこの地域から日本への渡航者は少ないため、日本での流行の可能性は極めて低いといっていい。この病気の感染が拡大するか否かに大きな影響力を持つのは、実は中国かもしれないのだ。

●中国でのSARS大流行もオオコウモリの食習慣が原因?

 なぜなら、エボラ感染国がある西アフリカ地域では1万人とも2万人ともいわれる中国人が現場労働者として働いているという。こうした労働者が中国へ帰国することによって、中国国内へ飛び火する可能性がある。中国からは年間130万人以上の観光客やビジネスパーソンが来日している。日本からはるか彼方のアフリカだけでの出来事だと楽観視できなくなってきている。

 さらに、エボラウイルスの「宿主」の可能性が高いといわれているオオコウモリ類を食べる習慣が中国にあることも不安要素のひとつだ。西アフリカの感染拡大の原因のひとつに、オオコウモリを食べる習慣が指摘されているが、同じような習慣が中国をはじめとするアジアやオセアニアの複数の国にもある。特に広東料理では、オオコウモリは高級食材として知られている。

 2002~03年に中国では重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行したが、この感染拡大の主要なルートが食用コウモリだったとされているのだ。

 そんな中、8月24日に今度はアフリカ中部コンゴでエボラ出血熱の感染による死者2人が確認された。西アフリカで猛威を振るうウイルスとは種類が異なるといわれるが、このウイルスが猛威を振るい始めたらいったいどうなっていくのか、事態はまったく予断を許さない状態にある。
(文=チーム・ヘルスプレス)