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外食・小売の脱中国、なぜ進まない?マックやロイホは一部停止 PBは中国食材多用

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マクドナルドの商品
 7月、日本マクドナルドは、仕入れ先である中国食肉加工会社、上海福喜食品が使用期限切れの鶏肉やカビの生えた牛肉を使用していたことが発覚したことを受け、一部店舗で「チキンマックナゲット」の販売を休止(同23日に再開)。マクドナルドはすでに上海福喜との取引を停止していたが、他の中国2社との取引も停止し、鶏肉全量の仕入れ先をタイの工場に変更した。

 マクドナルドの昨年1年間の鶏肉取り扱い量は4万5000トン。このうち中国産が38%、残り62%がタイ産だったが、これまで取引していたタイの2社に増産と供給拡大を要請した。調達先を集約すると、鶏インフルエンザのような病気が発生した場合に仕入れに支障を来すなどのリスクが高まるが、そうした供給面での不安を残したままの経営判断となった。

 一方、同じく上海福喜から仕入れた食品を使用していた鶏肉加工2商品の販売中止に追いやられたファミリーマートは、品質管理が行き届いた工場に委託先を変えるが、中国工場との取引を全面的に停止する方針はない。

 また、外食業界では「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」などを展開するロイヤルホールディングスが、中国産食材の使用を順次減らしていく方針を打ち出した。上海福喜との取引はないが、「代替品を確保できることを条件に中国産を縮小していく」としている。グループ内の飲食店などで使用している中国産の原材料は冷凍の野菜や魚介類が中心で、使用の割合はロイヤルホストが0.6%、てんやが10%という。

 マクドナルドやロイヤルのように、中国産食材の使用を一部中止する外食企業は例外に属する。中国産を使わなければ、値段を上げたりメニューも変えなければならなくなるからだ。外食業界では中国産が欠かせない食材となっており、中国頼みから脱却するのは容易ではない。なお、上海福喜は全従業員を解雇し、操業の再開はないとみられている。

●中国依存顕著なPB商品


 財務省貿易統計によると2013年に中国から輸入された食品の金額は8706億円と、20年前に比べて2.4倍になった。中国からの食品輸入は現地での加工品が多いのが特徴だが、その多くはスーパー、コンビニエンスストアチェーン、外食産業に卸される。中でも近年スーパーやコンビニ各社が注力するプライベートブランド(PB)商品で多く利用されている。

 小売企業側が独自に企画してメーカーに製造を委託するPB商品は拡大傾向にあり、17年には売り上げベースで3兆円規模に達すると推定されている。PB商品は今や大手スーパーやコンビニの目玉商品であり、委託されたメーカーは宣伝費がかからず小売企業が大量一括購入するため、安い値段で品質の良いものを提供できるとされてきた。