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自民党、得票率わずか35%でも大多数 ゆがんだ政治を許す裁判所、その改革方法とは?

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明治大学法科大学院専任教授・瀬木比呂志氏

 14日、衆議院選挙の投票と同時に、国民が最高裁判所裁判官を審査する国民審査投票が行われる。

 これは権力を監視し法を司る最高裁の裁判官として適切な人物かどうかを国民が審査する制度で、審査対象の裁判官の氏名が記載された投票用紙に、罷免を望む人物がいれば×印を記入して投票する。有効投票のうち過半数が罷免を望まない限り罷免されず、一度審査を受けて罷免されなければ、その後10年は審査を受けることがない。

 一般論として、衆院選の際は選挙にばかり報道も国民の関心も向かってしまう。その上、最高裁裁判官に任命されてから最初の衆院選で審査を受けることから、判断材料も少なく、実績や人物像を十分に把握していない。このような状況で国民の多数が最高裁の裁判官について、罷免を望むということは考えにくい。さらに、最高裁裁判官の定年は70歳であるが、任命される人物はほとんど60歳を超えているため、2度審査を受けることはまれだ。従って、この国民審査は形骸化していると指摘されることが多い。

 ところが、実はこの国民審査制度で罷免には至らなくても、高い割合で×をつけられた裁判官は大きな影響を受けることがあると、最高裁内部事情を知り尽くす元最高裁裁判官の瀬木比呂志明治大学法科大学院専任教授は語る。

「国民審査で他の裁判官よりもかなり高い割合で×がつくと、その人物は次の最高裁判所長官となることはかなり難しくなります。もちろん、国民が罷免を求めた理由がメディアによって明らかにされ、広く報道される必要はあります。そういう状況になれば、国民審査の結果は無視できません」(瀬木氏)

 長官に誰が就任するかは、最高裁にとって重要な意味を持つ。良心と高い見識を持って権力を監視するべき司法の頂点である最高裁が、現在は権力におもねり、その判断基準や倫理観は絶望的な状況になっていると瀬木氏は批判している。詳しくは同氏の著書『絶望の裁判所』(講談社現代新書)を参照されたい。

 また、6月2日付当サイト記事『裁判官による性犯罪、なぜ多発?被害者を恫喝、和解を強要…絶望の裁判所の実態』および6月4日付記事『冤罪を免れるのは困難、中身を見ず和解を強要…裁判所の病理を元裁判官が告発』においても、裁判官の腐敗状況について告発している。

●最高裁が変われば、行政にも影響を与える


 瀬木氏は、裁判所が権力の監視機能を果たさないことで、選挙における一票の格差も是正されず、結果として政治が慢性的に抱える諸問題は解決されないままになっていると語る。