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批判殺到のタカタ、「逃げる」が常識の異常な業界体質、社長を天皇とあがめる企業文化

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「Thinkstock」より
 タカタ製エアバッグの欠陥事故は、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が1月8日、ホンダに一度に科す制裁金としては過去最高額の民事制裁金7000万ドル(約84億円)の支払いを命じ、ホンダが合意するなど新たな材料が出ているが、肝心のタカタからはメッセージが聞こえてこない。
 
 昨年12月にステファン・ストッカー社長が辞任し、高田重久会長兼最高経営責任者が社長を兼務することになったが、一向に記者会見を開いていない。メディアは危機管理意識の欠落をこぞって糾弾したが、日刊自動車新聞記者の野元政宏氏は、高田氏が逃げているのではなく、経営トップがメディアに登場しないという部品メーカー特有の体質にあるのだと説明する。

「高田社長は社長就任時にも会見を開きませんでしたし、決算発表会にも出ていません。取材を申し込んでも応じていただけません。本人や広報の考えはともかく、メディアに登場しないのは、それ以前に自動車部品業界の体質の問題です」(野元氏)
 
 また、その原因をこう指摘する。

「部品メーカーの社長が会見に出て収益力の改善などと発言したら、自動車メーカーから『そんなに利益が出るのなら納入価格を下げてほしい』と言われかねないという懸念があるため、目立たないように振る舞う体質が部品業界にできてしまったのです」(同)

 記者会見を開いて高田社長が登場しないことを批判する報道もあったが、そもそもメディア対応の土俵が違うのだ。ある経済記者は「高田社長にもタカタ広報スタッフにも、逃げ回っているという認識はないと思います」と推察する。

●社内は社長支持?


 一方、社内の反応はどうなのだろうか。高田社長が表舞台に出て説明責任を果たさないことへのいら立ちはないのだろうか。
 
 これについては、タカタ固有の企業文化に着目したい。同社は、創業家出身で2代前の社長だった高田重一郎氏(重久氏の実父)が抜群の手腕を発揮し、カリスマ性も際立っていた。前出の経済記者は内情を次のように打ち明ける。

「重一郎氏は社員からの人望も厚かった経営者で、社員にとって高田家は天皇家のような存在です。決して恐怖の対象ではなく、多くの社員は日本人が皇室をあがめ奉るような心情を高田家に抱いています。したがってリコール問題に対しては、内部告発に走るような空気はなく、むしろ高田家をどのようにして守るかというのが多くの社員の心境です」