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では、社員は高田社長をどのように評価しているのだろうか。
「特に実績を積まないまま社長に就任できたのは創業家ゆえの人事ですが、社員は『高田家あっての自分たち』と思っています。高田社長の経営能力については承知していますが、それを問うような意見は聞こえてきません」(同)
高田社長の能力をカバーするのが、高田家に仕える社員の使命――そんな文化が定着しているのかもしれない。
前出の野元氏は「米国の議会でリコール問題を糾弾しているのはデトロイト系の議員が中心なので、事の本質はホンダ叩きでしょう」と語るが、リコール費用の増大を受けて、タカタは2015年3月期の連結純損益が前期の111億円の黒字から250億円の赤字に転落する見通しだ。
「タカタのエアバッグは世界シェア20%で、技術力の評価も高い。仮に経営危機に陥ったとすれば、おそらくホンダが救済する」(経済記者)との見方が広がっているが、タカタの社長を交代させる必要が出てきた場合、高田社長に代わる経営者を見つけることは簡単ではない。なぜなら、昨今はやりのプロ経営者にとって、部品メーカーを再建したところでキャリアの値打ちが上がるわけでもなく、積極的に引き受ける人物は多くないと考えられるからだ。
社長交代の必要に迫られる事態とならないように、危機を乗り越えることができるのか、今後のタカタの動向に注目したい。
(文=編集部)
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