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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

間違いだらけのインフルエンザワクチン予防&対処法…検査陰性でも実際は感染多数

文=新見正則/医学博士、医師
間違いだらけのインフルエンザワクチン予防&対処法…検査陰性でも実際は感染多数の画像1「Thinkstock」より

 さて、インフルエンザが流行ってきました。今日は、「インフルエンザかなと思ったらどうするか?」というテーマで盛り上がっています。

“常識君”は常識君らしく「すぐに医者に行って、インフルエンザの検査をして陽性なら抗インフルエンザ薬や対症療法の薬ももらう」という意見です。“極論君”は、「外出すると人にインフルエンザを移すかもしれないので、公衆衛生の観点から自宅からは出ない」という発言です。“非常識君”は「薬は飲まない、飲むなら漢方の麻黄湯だけ」という意見です。

 極論君の、「病気になったときに人に移さない」という思いやりはとても大切な視点です。みんなで生きている社会ですから、そんな心配りはうれしいですね。そうであれば、インフルエンザワクチンを全員が打つべきだという意見も出そうです。

 ところが、厚生労働省はインフルエンザワクチンの効果は予防よりも重症化の防止だという見解をHP上でも公表しています。予防の効果は、一般人が思い描くよりも少ないのです。そうであれば、人に移さないために自宅から出ないというのは、とても良い対処方法です。

 でも、頭痛や関節痛や高熱、鼻水などの症状があれば、それを軽減させたいですね。また、抗インフルエンザ薬ももらいたいですね。その前に、本当にインフルエンザ感染かを調べてもらいたいですね。

 そこで最良の手段は、医師の往診でしょう。しかし、インフルエンザ疑いの患者さんを保険診療の範囲内で往診してくれる医師を筆者は知りません。やはり薬が欲しければ、薬局でもらうか、病院やクリニックに行かないとダメですね。薬局は代理のものが訪ねても、それなりの薬はくれます。「OTC薬」といって、医師の処方箋がなくても薬剤師の判断で販売できる薬です。症状が軽ければ、あえて外出して悪化するリスクを負うよりも、誰かに薬局に行ってもらうことも選択肢になります。

 しかし、この選択肢を選ぶ人はあまりいません。薬局では検査はできませんし、抗インフルエンザ薬や対症療法でも強力な効果のある薬剤は、医師の処方箋が必要なので販売できません。

検査で陰性でも要注意?

 すると、やはり常識君が言うように「他人にインフルエンザを移すかもしれない」と思いつつも、出向いて医者に診てもらうことが必要になります。病院やクリニックに行くと、どんな診察をされるのでしょう。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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