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首都直下型地震時、埼玉が要の一大広域連携計画が始動…救援・避難の重要拠点に

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具体計画が想定する首都直下地震(「内閣府 HP」より)
 東日本大震災から5年が経過した。現在の日本が抱える問題は、防災、少子高齢化、子育て、介護など多岐にわたり根が深い。


 とりわけ人口集中地である首都圏での直下型地震は、大きな被害が想定される。政府地震調査研究推進本部によると、30年以内に茨城県沖でマグニチュード7規模の地震が起こる確率は70%程度。そのうち繰り返して発生する同程度の規模のプレート間地震は90%以上にものぼる。さらに南海トラフで発生するマグニチュード8から9クラスの地震の発生率は、70%程度という試算がある。

「万が一、そのような大規模地震が首都圏に発生した場合、1カ月以上の避難生活を強いられる人々が400万人くらい出るという、内閣府の試算があります」

 西田実仁参院議員(公明党)は3月2日の予算委員会で、安倍晋三首相にこう訴えた。埼玉全県を選挙区とする西田氏にとって、首都圏大規模地震は決して他人事ではない。

 実際に、政府が発表する東日本大震災の被災者数は、今年2月12日現在で約17万4000人。避難先は全国47都道府県、1139の市区町村に及び、「公営、応急仮設、民間賃貸等」に住む人が多い。そしてさらに多くの人が被災直後、ライフラインが止まったままの状態で寒さと飢えに苦しんでいたことは、いまだ記憶に残っている。

「1世帯の人数を2.7人と考えると、必要とされる応急住宅は180万戸。しかし1都11県という広域で考えると、空き家の数が190万戸あります。被災したとしても、こうしたところをすぐに使用できると、家を失っても温かいお風呂に入り、布団で眠ることができる。こうしたメリットが広域連携にはあるといえるのです」(西田氏)

 西田氏によれば、その広域連携の中心となるのが埼玉だという。

「たとえばさいたま市は地盤が堅固な大宮台地の上にあります。地震などの被害に強く、いざという場合の中継地として最適です」(西田氏)

 そればかりではない。北海道新幹線が開通したため、大宮駅には6本の新幹線が集結することになった。埼玉はいわば「東日本の玄関」でもあり、交通の要所といえるのだ。

緊急用河川敷道路


 さらに基幹的広域防災拠点である川崎市の東扇島と連携することで、緊急物資の輸送が可能になる。同地区は首都圏に大規模かつ広域な災害が発生した場合、緊急援助物資の集積及び分配、被災地への搬出、自衛隊など支援部隊のベースキャンプとして機能すべく、2008年4月に開設された。昨年11月5日に実施された首都直下地震防災訓練では、東扇島から船で小松川のリバーステーションに向かい、荒川の緊急用河川敷道路と国道17号線を使って緊急物資の集約・運搬拠点である日本大学・大宮キャンパスへのルートが確認されている。

 実はこの「緊急用河川敷道路」が極めて重要なのだ。