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森真理「きれいで元気になるための栄養学」

プロテインは要注意?過剰にタンパク質摂取で肝臓・腎臓に負担の恐れも

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筆者の職場で実施している食育活動「食育を楽しむ会」で使われている昼食
 メタボ予防やダイエットのために運動を始める人が増えています。最近では、認知症や介護予防にも骨格筋や筋肉などの運動器を鍛えておくことが重要という報告もあり、中高齢でスポーツジムに通われたり、ウォーキングやジョギングを始められたりする方も増えています。


 国も「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」(第2次)でアクティブガイドを策定し、「今よりも10分多めに活動量を増やしましょう」という「+10」をキャッチフレーズにしています。

 このようにスポーツ人口が増え、国民の生活活動量増加で期待できることはなんでしょうか。運動効果として肥満の方ではダイエットが期待できますし、お腹についた脂肪が減れば、さまざまな炎症反応を起こすホルモンの分泌量が減りますので、メタボリックシンドロームの予防につながります。そして、食事だけのダイエットだと減ってしまう可能性のある筋肉量を減らさないという利点があります。

 この筋肉量を減らさないというのが健康維持には重要なポイントで、基礎代謝量が維持されるのはもちろんですが、糖尿病の方でも血糖値をコントロールするのに有効であったり、将来の骨折や寝たきりの予防にも有効であったりするのです。

 そこで、より有効的に筋肉を保つために推奨されているのが、タンパク質の摂取です。特に、スポーツ栄養学の分野では、運動後の素早い疲労回復のために、できるだけ早いタンパク質などの栄養摂取が推奨され、体重1kg当たり2g/日のタンパク質が適量だといわれています。

 体重60kgの人では、1日120gのタンパク質ということになりますが、卵なら1つで6gのタンパク質が含まれているので、1日に20個も食べなければならないということになり、食品から必要量の摂取は難しいと理解されている方も多いと思います。

健康食品の利用には注意が必要


 では、本当にそうなのでしょうか?

 現在、日本人の食事摂取基準で推奨されているタンパク質の摂取量は18歳以上の男性60g、女性では50gとなっています(体重当たり1g/程度で、スポーツをされている方の半分程度になります)。

 また、私の職場で実施している食育活動「食育を楽しむ会」で使われているお昼ご飯ですが、たとえば写真のような野菜がたっぷり318gも使われている昼食でも、栄養価計算をするとタンパク質は30g含まれています。動物性食品はさわらが一切れ(70g:タンパク質14g)使われているだけですが、ごはんや大豆製品、キノコ類やブロッコリーなどの野菜にもタンパク質は含まれているのです。1日に食事は3回食べると考えれば、肉類や卵、乳製品などをうまく組み合わせることで、1日100g程度のタンパク質なら、食事からでも簡単に摂取が可能と考えられるのです。