今回は学歴・経歴に関するお話です。ショーン・マクアードル川上(以下、ショーンK)さんの学歴・経歴詐称が問題になっています。“極論君”は「自分の経歴を詐称したのだから追放されて当然だ」という論調です。“非常識君”は、「芸能界では年齢詐称や経歴のいい加減さはよくあることで、特別問題ないのでは」という立ち位置です。
さて、医療の世界ではどうなのでしょうか。特に医師の経歴はどうでしょうか。まず、ショーンKさんと異なるのは、経営コンサルタントは誰でも自分がそうだと名乗ればOKという点です。一方で、医師になるには医師国家試験に合格する必要があります。「医療ジャーナリスト」といった肩書きもある意味「経営コンサルタント」に似ています。医療ジャーナリストは医師である必要はなく、いろいろな医療知識をわかりやすく伝えることができれば、また埋もれている大切な情報などを拾い上げてくれれば、今間違っている常識にあえて一石を投じてくれれば、それで十分に社会貢献しています。
ショーンKさんほど有名になれば、学歴詐称をしなくても彼の地位は保たれたようにも思えますね。でもそこに至るまでに彼が掲げていた学歴は相当役に立ったのかもしれません。極論君は「医者にかかるときも、その医師が卒業した高校、大学、大学院、留学などの経歴は参考にしている」と言います。いわゆる「偏差値の高い大学を卒業している先生は安心だ」という論調です。そして、「難関大学の大学院を卒業したり、海外の有名大学に留学したりしていれば、ますます信用に値する」という論調なのです。
医師の学歴・経歴は重要ではない?
一方、“常識君”は次のように言います。
「18歳前後の学力で大学は決まるのだろうから、ある日、ある時の試験の出来不出来で、その人のすべてを評価するのはいかがなものかと思う。そのあとが大切だし、少なくとも医師国家試験という難しい試験に合格しているのだから、それで十分なのではないか」
これに対し、極論君は反論します。
「医師国家試験は90%以上が合格する試験で、司法試験のように難しいとは思わない。だからこそ、医師国家試験に合格していることは最低の条件で、やっぱり国内外の学歴が医師を選ぶ基準になる」
まず、医学部はどこも難関なので、そこに合格するには結構な勉強が必要です。さらに医師国家試験は3日間に500題が出題されますので、また大変な勉強が必要です。ですから、国で認められている資格である以上、そしてそれが公明正大に行われている以上、医師国家試験への合格でやはり十分に思えます。