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政府、「人間」以外が創作したものにも著作権認める…人間と人工知能の境目が消滅か

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「Thinkstock」より

 囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」が、世界最強の棋士のひとりである韓国の李セドル9段を破るなど、最近のAIの進化は目覚ましいものがある。

 こうした状況を踏まえ、政府の知的財産戦略本部は、AIがつくった音楽や小説などの権利を保護する法整備を行う方針を明らかにした。実際、AIによってつくられた作品は、第三者に勝手に使用されても差し止めや損害賠償などの法的手段に訴えることができず、問題になることが懸念されている。

 現在の著作権法では、著作権は人によってつくり出されたものしか認められない。ITの法務に詳しい中野秀俊弁護士は、次のように解説する。

「日本の著作権法上、『著作物』とは『思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの』と定義されています。AIが生み出したコンテンツはどれも特徴的で、『創作性』(オリジナリティ)は認められますが、AIに『思想や感情』はあるのかということが問題となるのです」

 確かに、AIは機械であるため、人間のように意思を持っているわけではない。AIが自動生成したものに著作権を認めることについては、以前から反対論も根強い。AIは、「0から1」を生み出すのではなく、コンテンツを大量学習することによって既存の作品を発展させたものをつくるにすぎない。よって、AIが自動生成したものに著作権を与えてしまうと、学習の元とされたコンテンツの著作権が侵害されることになるおそれもある。しかし、中野弁護士はAIが自動生成したものの著作権を認めることに賛成だという。

「AIが人間の手を借りずにコンテンツをつくることが技術的に可能となってきているなか、その権利関係について法律を整備しないほうが余計な混乱を招きます」(同)

 つまり、整備しないほうがデメリットは大きいというわけだ。さらに中野弁護士は、「人間が生み出すコンテンツのなかでも、本当に何もないゼロからコンテンツを生み出す例はまれ」だと語る。

「人間の作品も、大量の学習の積み重ねで新たなコンテンツを生み出している例がほとんどだと思います。そう考えると、AIが作成したのか人間が作成したのかに差はないのではないかと思います。AIという技術の進歩には目覚ましいものがあります。法律も、その進歩に追いついていく必要があるのではないでしょうか」(同)