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Uberをあっさり超えた中国の配車アプリ、凶悪犯罪多発のまま世界展開…アップルが出資

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「Thinkstock」より

 米アップルは、米国進出を果たした中国の配車アプリ最大手「滴滴出行」に10億ドル(約1100億円)出資することを決定した。

 Uberの世界的普及によって注目される配車アプリだが、運営会社によると滴滴出行の昨年の利用は14億3000件に上っており、Uberの6年間をたった1年で上回っている。米アップルは、滴滴出行のこうした実績を見て出資に踏み切ったのだろう。

 滴滴出行は4月から、パリス・ヒルトンを起用して米国市場での広告キャンペーンを展開している。ところが、中国での同アプリの現状を知る人たちからは「国内のサービスもままならないのに海外に出るのか」「利用者を危険に晒したまま国際展開するのはやめるべき」などといった批判が相次いでいる。

 実は滴滴出行をめぐっては、利用者が犯罪に巻き込まれる事件が多発しているのだ。5月4日付深セン晩報の記事によると、同月2日夜、小学校教師の24歳の女性が学校に戻る途中、行方不明となった。携帯電話の電源が切れていたので家族は彼女の同僚に連絡したが、宿舎にも戻っていなかった。

 その後の警察の調べで、彼女は行方不明となった当日、滴滴出行で配車したクルマに乗車していたことが判明。ドライバーを特定して捜索したところ、3日昼になって警察が宝安区でクルマを発見。同区内の家屋で容疑者を確保した。取り調べにより、男は彼女を乗せてひと気のない場所までクルマを走らせたのち、持っていたナイフで脅し、金目のものを奪ってから殺害したことを自供した。

 事件を受け、滴滴出行は安全を強化すると発表したが、その報道の翌日、今度は武漢でドライバーが薬物所持で逮捕されている。地元紙の武漢晩報によると5月5日午前、交通警察の警察官が目線の定まらない運転手を発見し、クルマを停めさせて聴取した。後部座席には2人の女性が乗車していたが、滴滴出行を通じてこのクルマを呼んだ乗客だった。警察官は異臭を感じたので車内を調べると、運転席のクッション下に薬物の吸引機器を発見。シガレットケースには、ティッシュに包まれた9粒の赤い錠剤が入っていた。男は薬物の使用を否定したが、尿検査の結果は陽性だった。

 利用者が性犯罪に巻き込まれる例も続発している。5月10日付京華時報記事によると、天津市で女性が滴滴出行を介して配車されたクルマに乗ったところ、運転手の下半身が何もはいていないことに気がついた。女性がその様子を撮影してネット上に投稿したことから明るみに出た。

犯罪リスクに無策の滴滴出行

 さらに、5月4日付南海網記事によると、海南島海口市で4人の女子高校生が滴滴出行を通じて手配したクルマに乗車した際、運転手からわいせつ行為を受ける事件も発生している。

 犯罪が横行する滴滴出行について、広東省地方紙の記者はこう話す。

「中国ではかつてより、白タクによるこうした事件は数多く起きていました。滴滴出行は、そんな利用者の安全性のリスクにまったく対策をしないまま、白タクドライバーを束ねただけのアプリなので、犯罪が頻発するのは当然のことといえます。さらに、事件が起きても『ドライバーと利用者をマッチングする場所を提供しているだけ』として、滴滴出行は法的な制裁を受けることがありません。しかし、国際企業となった今では、これまでの道理を押し通すことはできなくなるでしょう」

 アップルは出資する相手を見誤った可能性もある。
(文=編集部)