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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

高額品を買う&所有はもうダサい?時代はレンタル活用に…お手入れ不要、常に最新品が利用可能

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「Thinkstock」より
 海ではクルーザーを借りて釣りをし、山ならキャンピングカーを借りてバーベキューに舌鼓を打つ。気持ちよくツーリングがしたいなら、ハーレー・ダビッドソンを借りて気のすむまで高速道路を流す。というように、最近では高級なアイテムはレンタルして楽しむといったレジャースタイルが浸透してきている。


「買う」よりも「借りる」ことで、充実した休日を過ごそうという層も増加しているようだが、この背景にはいったい何があるのだろうか。立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に解説してもらった。
 

高級バッグからスーツケースまで、多様化するレンタル


「まずこういったレンタル品を利用しているのは、高級品を使いたいが使用頻度が低いために所有するまでの気分にはなれない人たちだといえます。パーティーやレジャーでも自己で所有しているものを使うのではなく、レンタルで借りた期間を楽しむことの利便性を理解した人たちが増えてきたといえるでしょう」(有馬氏、以下同)

 つまり、所有にこだわらない生活スタイルが浸透してきたということだ。

「以前はレンタル品だと『誰がどう使ったかわからない』といった理由から使用を躊躇する人も多くいました。ですが、今では消毒や抗菌処理の実施などレンタル品の清潔感や品質管理が徹底され、レンタル品に対しての心理的抵抗感が低くなっている人が増えていると思われます。むしろ、レンタル品なら常に最新のものが使用できるというメリットのあることも広く認識されてきました。一方、レンタル業者のほうも利用者が増えることで多様化し、借りられるものや施設のバリエーションも広がりをみせています」

 近年では、「グランピング」(グラマラスとキャンピングを合わせた造語)というテントやコテージ、お風呂にベッド、食事までも備えられたキャンプ施設を利用するという新しいレジャースタイルも話題。レジャーだけにとどまらず、エルメスのバッグをレンタルして結婚披露宴に持っていく女性や、短期留学のためにスーツケースをレンタルする学生もいるなど、レンタルできる品目の広がりは、高級品に限らない。

ミニマリズム思考が生んだ「買う」ことへの抵抗感


「現代は、住居環境などから購入したものの保管の煩わしさを感じる人が増え、所有に対する欲求が希薄な時代に変化しているように感じます。若者の視点から考えると、不景気時代しか知らないので、ある一つのものに過剰にお金をつぎ込むライフスタイルには抵抗感が強い人が増えているのではないでしょうか」