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大ブームの水素水グッズ、超高額インチキ商品が氾濫!なんの健康効果もなく無意味

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「Thinkstock」より

 ブームは多少落ち着きつつありますが、いまだに水素を風呂場で発生させる自称「健康グッズ」や、金属マグネシウムを酢の中に入れる「自作水素水」、さらには危険極まりない「水素コンロ」、どこからツッコミを入れていいのかわからないようなカルトな商品まで登場し、水素関連商品の暴走は死亡事故まで待ったなしという感さえあります。
 
 そんな水素ブームの元となっている、「電解水素水」がどういうものなのか、歴史をたどりつつ、ついでに中学レベルの化学を復習していきましょう。

 電解水素水というのは、今の水素水ブームが起きるより遙か前から売られている、水商売の商材のひとつで、アルカリイオン水、電解還元水、電解還元水素水、還元水、還元水素水、アルカリ還元水など、さまざまな名称で販売されていますが、どれも電気を流すことで少しアルカリ性に傾けた水です(厳密には隔膜で隔てられた陰極側の水)。

 多少濾過などをして、水道水のにおいなども除去する商品も多くありますが、どれも大差はないでしょう。いずれも「活性酸素を除去する」「がんを予防する」「ダイエット効果がある」などのうたい文句で売られていますが、人間での有効性については、「害もなければ益もない」と言って過言ではないでしょう。

 害もないので、飲んだ人の気分が良くなるのであれば、個人が勝手に購入する分にはいいのでしょうが、お世辞にも人に勧めて買わせるような価値はありません。

 電解水は、元々は昭和初期に北海道での稲作において、稲の発芽を促進させるために安価に弱アルカリ性の水を得るという目的で開発されたものです。後に、「稲に良いなら人間にも良いだろう」といった具合に農家の人が飲用し始め、昭和30年代に第1次ブームが起きました。さらには、電解還元水整水器として電解水生成器具が医療用具として承認を受けたことから、「奇跡の水」と取り上げた本なども出版され、メディアでも絶賛されて大ブームが10年ほど続きました。現在も「胃酸過多や胃腸症状改善」などの効果は国に認められています。

 その後、さまざまな論争が起こり、ブームが来ては否定論が蔓延して収束……という流れを繰り返しています。その間に複数の業界団体が発足し、話がややこしくなっているわけです。

 飲用以外にも、弱アルカリ性なので汚れは落ちやすく下水に流しても環境負荷が小さいといった利点があり、洗顔や衣類の洗浄などに効果があります。そういう意味では、電解水は、まったく効果がないオカルト商品ではないといえます。