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新将命「ビジネスの原理原則」

企業理念が社員に浸透した企業は、してない企業より業績が平均4倍高い経営学的理由

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三菱自動車工業本社(「Wikipedia」より/Aimaimyi)

 私は企業をざっくりと2つの型に分けて考えている。組織図はあるが「ただそれだけ」という企業と、組織図に魂を通わせている企業である。

 組織図に魂を通わせる企業と、組織図あれど魂なしという企業の間では、業績に4倍の差が出るというマクロ統計(米国)もある。
 
 魂とは何かというと、企業理念がこれに当たる。ミッション(使命感)、ビジョン(我が社は「かくありたい」という理想の姿や夢)、バリュー(価値観)から成る理念があると、企業の持続可能性は高まる。「ある」といってもただあればよいというわけではない。理念が徹底的に全社員に刷り込まれて理解、納得が得られた上、経営や業務上の判断や決断を下すための「生きた道具」(ワーキングツール)として使われなければならない。どんなに良い道具があっても、実際に使わなければ物の役には立たない。空文化してしまい、単なるお経の文句で終わってしまう。

組織に魂が通っていなかった三菱自動車


 2000年と04年にリコール(回収、無償修理)隠しが発覚し、今年は燃費効率に関する偽装が発覚して、ユーザーを含むすべてのステークホルダーからの不信を招いた三菱自動車工業の例は、まさに組織に魂が通っていなかったことが最大の原因だろう。

 三菱自の特別調査委員会が指摘したのは、社内の一体感の欠如だった。「理想の車づくりを通じてどのような社会を実現したいのか、という自動車メーカーとして持つべき理念が等閑視された」という厳しい批判が出た。

 そのほか、開発部門が日程や人員が慢性的に不足しがちなのに「できない」と言えない企業風土、コンプライアンス(法規順守)に対する社員の意識の希薄が指摘されている。その原因として、「諸悪の根源は会社が一体となって優れた自動車をつくりお客様に届けるという意識が欠如している」という分析がなされている。

社員の「やりたい感」を生む


 私は経営者に求められるリーダーシップの1丁目1番地は、「理念の構築と発信、及びトップをはじめとして全社員が理念にコミットして、仕事上の道具として使う習慣の醸成である」と信じている、理念のない目標はノルマ化してしまう。ノルマ化は「やらされ感」を伴う。そこには「やりたい感」は生まれない。