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鬼塚眞子「目を背けてはいけないお金のはなし」

社員の親介護問題が企業を滅ぼす?ついに企業倒産や業績急低下などの事例続出

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「Thinkstock」より

 厚生労働省から正式発表はないものの、安倍政権が「最大のチャレンジ」と謳う「働き方改革」を受け、同省が来年1月に施行される育児・介護休業法の改正で、家族の介護をしている労働者の残業を免除する制度を企業に義務づける方針を決めたと一部では報じられている。

 この制度の導入は、従業員にとって大きな光明となるのか。ひいては介護離職に歯止めをかけることはできるのか。そのために企業や従業員はどういった対応や心構えをすればいいのか、検証していきたい。

活用が進まない、会社独自の制度


 現在の育児・介護休業法では、「事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者が請求した場合は、所定労働時間を超えて労働させてはならない」と育児残業を免除する制度がある一方で、介護残業に関する制度はこれまで設けられていない。

 そのため、かねてより厚労省では有識者を交えて、介護面での残業に関する制度の創設について多角的に議論を重ねてきた。その結果、従業員の介護を理由とする勤務時間の短縮と残業を免除する措置が義務化される方向になりつつある。
 
 少子高齢化が加速することが予測されている今後の社会状況において、現役世代の親族の介護に関して、法律や制度による手厚いサポート体制は、企業の労働力の確保からも重要なポイントとなることは間違いないと考える。

 歓迎すべき一方で、企業にとっても従業員にとっても制度に慣れるまでは戸惑うことも多々あるかもしれない。さらに、場合によってはトラブルに発展する事態も予測される。

 実は、国の制度に先駆け、仕事と介護を両立するための柔軟な働き方を支援する独自の制度を設けて、実施している企業は少なからず存在する。こうした企業に対し調査を行ったところ、興味深い結果が判明したので紹介したい。

 厚労省の委託を受けた、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「仕事と介護の両立に関する企業アンケート調査」(2012年度)は、正社員について導入している独自の制度について、次のように記述している。

<「1日の所定労動時間を短縮する制度」が69.0%で最も割合が高く、次いで「半日単位、時間単位等の休暇制度」が46.0%、「始業・終業時間の繰上げ・繰下げ」が45.7%となっている。一方、「週または月の所定労働時間を短縮する制度」「フレックスタイム制度」「休日勤務の免除」「失効年次有給休暇の積立制度の介護事由利用」は2割前後、それ以外の制度は1割前後に留まっている>