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トランプ政権の2つの顔…最強ドリームチームで「損得勘定主義」鮮明に 「米国第一」でTPP復活も

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アメリカのドナルド・トランプ大統領(写真:The New York Times/アフロ)
 1月20日(日本時間21日未明)、ドナルド・トランプ氏がアメリカの第45代大統領に就任した。公約通り、就任初日に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱を表明し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も明言するなど、早くも大きな動きを見せている。


 政治経験のないトランプ大統領は、世界にどんな影響を与えるのか。また、日本はどうなっていくのか。世界情勢に詳しい経済ジャーナリストの財部誠一氏に聞いた。

「損得勘定のエキスパート」が並ぶトランプ政権


――大方の予想を裏切って誕生したトランプ政権。現状では、どう捉えていますか?

財部誠一氏(以下、財部) 実は、私も大方の予想通りヒラリー氏が当選すると考えていました。そのため、選挙結果に混乱した1人です。しかし、閣僚の顔ぶれを見ると、経済政策チームは民間出身者ばかりの“ドリームチーム”です。トランプ大統領の、一見過激で非常識な発言ばかりが注目されていますが、外交も経済運営も戦略性の高いものになりそうです。

――具体的には、どういったところでしょうか?

財部 政権のキーマンとなる国務長官のレックス・ティラーソン氏は、元エクソンモービル最高経営責任者(CEO)です。世界最大級の石油メジャーは、国家権力並みの情報集力と不安定な独裁国家相手に権謀術数の限りを尽くす、圧倒的な交渉力を持っています。メディアは、ティラーソン氏がプーチン大統領から勲章を受けるなど、ロシアとの関係の深さしか話題にしませんが、優れた外交能力を持った人物です。「アメリカのエネルギー政策は、エクソンのエネルギー政策」といわれてきたくらいで、外交・エネルギー政策で考え得る最高の人選かもしれません。

 さらに、財務長官のスティーブン・ムニューチン氏はゴールドマン・サックス(GS)の元投資部長であり、国家経済会議(NEC)委員長のゲーリー・コーン氏はGSの元社長。商務長官のウィルバー・ロス氏は、ウォール街の著名な投資家です。また、テスラモーターズのイーロン・マスクCEOやウーバーのトラビス・カラニックCEOが経済政策を支援します。つまり、ウォール街の重鎮からシリコンバレーのハイテク経営者まで、いわば損得勘定のエキスパートで固められているのです。

 トランプ大統領の言う「アメリカ・ファースト」とは、自由貿易や民主主義など理想主義の旗を降ろし、「アメリカの損得勘定」という現実主義の旗を揚げるという宣言にほかなりません。ロシアとの融和を図る一方、中国には牽制球を投げ続けるなど、きわめて現実主義的です。

 自由主義・民主主義という価値観を共有できないロシアと対立することが、アメリカを「世界の警察官」へと駆り立てました。しかし、もうアメリカはそのコストに耐えられない。トランプ大統領は、ロシアとの関係改善を、もっとも即効性のあるコストカットだと考えているのでしょう。

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