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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

森友問題でキレまくる安倍首相以外、プレミアムフライデーで早帰りする人はほぼいない現実

文=神澤志万/国会議員秘書

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 2月27日、2017年度予算案が衆議院を通過しました。予算は5年連続で過去最高を更新していて、16年度の当初予算から7329億円も増えました。一般会計の歳出総額は97兆4547億円です。高齢化で医療や介護などに使う社会保障費が膨らんだためですが、想像を超える金額です。

 しかし、予算案が提出されてから27日間での通過というのは、過去に例のない短期間だったようです。文部科学省の天下り問題も、安倍昭恵・首相夫人が名誉校長を務めていた森友学園の問題も、共謀罪に関連する稲田朋美防衛大臣や金田勝年法務大臣の問題も、何ひとつ解明ができていない状態での「スムーズな予算案可決」という流れは、とても国民の理解を得られるものではないと思います。

プレミアムフライデーは所得格差を広げるだけ?

 そんななか、2月24日の金曜日は安倍晋三政権が進める「働き方改革」の目玉である「プレミアムフライデー」の初日でした。

 各議員事務所にも「国会審議は15時まで」との申し合わせの連絡がきていて、安倍首相も、その時間に国会を後にしました。その時間帯は、ちょうど都内の小学生たちが国会見学のコースで中庭に移動するところで、安倍首相は見学中の小学生たちに手を振っていました。安倍首相に会うことができた小学生たちにとっては、忘れがたい良い思い出になったと思います。

 ただ、首相が15時に国会を出たのに、小学生が社会見学でまだ国会に残っているという光景に少し違和感がありましたが。

 それにしても、プレミアムフライデーはなぜ月末なのでしょう。月末の金曜日に15時退社を実践できるのは、安倍首相をはじめとする一部の閣僚とお役所、大企業の人たちくらいでしょう。

 プレミアムフライデーの賛否を問うアンケート調査(16年12月「日経ビジネスオンライン」)では、「所得格差が広がる可能性がある」という報告がまとめられています。中小企業やサービス業に従事する人たちの労働環境は悪化するのに対して、高所得者が多い一部の大企業の人たちだけが恩恵を受けるという構図になるのではないでしょうか。

 たとえば、歯科技工士の友人の話では、「午後から休み→じゃあ歯医者に行ってみよう→歯科医から技工物の発注が増える→技工士の仕事量が増加→休めない」という状況になるそうです。

 完全な手作業の技工物は、休めば休む分完成が遅れるため、アウトソーシングしない限りは休みを取りづらいのが実情だそうです。「仕事が増えるのは歓迎だけど、体を壊さない程度に仕事量を調節するのが難しい」というのが、多くの歯科技工士の本音のようです。

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