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トヨタ社長、好き嫌い&粛清人事で優秀な人材を次々放逐…幹部「働くのが馬鹿らしい」

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トヨタ自動車・豊田章男社長(AP/アフロ)

 トヨタ自動車は1日、役員人事と組織改正を発表した。その全容は一言でいえば、厚化粧をしてごまかした人事であり、お化粧の下はまるで「化け物」だ。

 6月の株主総会後に取締役数は現在の11人から9人に、代表権を持つ取締役数も6人から2人にそれぞれ減らす。そして9人の取締役のうち3人が社外取締役だ。取締役会をスリム化して意思決定の迅速化を図り、経営の監督体制の強化が狙い、とされる。

 今回のトヨタの役員人事は、時代の変化に合わせたガバナンス体制の変更のように映る。一部のアナリストやコンサルタントは、「大企業でも変わろうとしている」などと持ち上げて誉めることだろう。

 しかし、実態はそのようなものではない。では、実態は何かといえば、豊田章男社長の傍若無人と側近の重用ぶりが常軌を逸脱し、好き嫌い人事や懲罰人事がオンパレードの目も当てられない人事なのである。

イタコ族


 優秀な人材や哲学・意見を持った人材が社外に放逐され、豊田社長の心のなかを読める「イタコ族」が跳梁跋扈する。イタコ族とは一部トヨタ関係者内での流行語で、死者と会話できるとされる東北地方の巫女「イタコ」にたとえられ、豊田社長の心のなかを代弁できるという意味だ。

 イタコ族の代表格は、友山茂樹専務役員と上田達郎常務役員だ。4月1日付の組織改正で友山氏は事業開発本部長、情報システム本部長、コネクティッドコンパニープレジデント、ガズーレーシングカンパニープレジデントの4つの役職を兼ねる。さらに加えて、渉外・広報本部のサブ担当にもなり、東京五輪関係を受け持つ。前例踏襲がいいわけではないが、トヨタで一人の専務が2つの本部長、2つの社内カンパニートップを兼任するのは極めて珍しい。各本部や各カンパニーはそれぞれ関連性があるとはいえ、一人の役員が担当するには物理的に不可能ではないかとみるトヨタ内部の関係者も複数いる。さらに、トヨタ社内には、友山氏に権力を集中させ過ぎているといった意見もある。

 友山氏は豊田社長が役員になる前からの部下で、「お友達」の関係にある。「役員になってからの実績は今一つ。金を使うのは得意だが、稼ぐのは苦手で、社長のお友達だから無駄金を多く使っても評価には響かない」(トヨタグループ幹部)との指摘もある。

 もう一人の上田常務役員は4月1日付で専務に昇格する。人事部門の経験が長く、現在は総務・人事本部長として、トヨタ本体およびグループの役員人事の原案を作成している人物だ。上田氏は4月以降、コーポレート戦略部と戦略副社長会事務局を管掌し、経営の舵取りに直接かかわる。上田氏は、社内では密かに「トヨタの柳沢吉保」と呼ばれている。その心は、豊田社長に食い込むのがうまく、同時に「私腹」も肥やしていくという意味だ。