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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

売上トップの糖尿病薬、かえって死亡率増が発覚…政府が隠蔽工作、危険性指摘した職員辞職

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「Thinkstock」より

 日本人の6人に1人が糖尿病予備軍だといわれています。いったい、どんな病気なのでしょうか。

 糖尿病とは、血糖値が上昇し、血管が破壊されるリスクが高まった状態です。その結果として起こるのが失明、腎臓機能の廃絶、心筋梗塞などの病気です。足の血管が詰まり切断を余儀なくされる人も少なくありません。いずれもその後の人生に深刻な影響を与えることから、誰にとっても無関心ではいられない病気なのです。

 糖尿病は血糖値が上がるために起こる病気ですが、メカニズムが複雑なため、治療薬にも作用の異なるものがいく種類かあります。

 つい最近まで売り上げナンバーワンだった薬が、チアゾリジン誘導体と呼ばれる薬です。国内と海外の製薬会社が1つずつ同系統の薬を開発し、それぞれアクトス、アバンディアという商品名で発売しています。まず米国と英国に拠点をおく多国籍製薬企業が開発したアバンディアにまつわるドタバタ劇からお話をしましょう。

服用すると、死亡する割合が高まる?


 この薬は発売当初から世間の注目を集め、06年には年間売上げが全世界で3,600億円を記録して同社のベストセラー商品となりました。

 その効果と副作用を探るための調査も多数行われていましたが、2007年、厳選した42編の論文を集計した結果が医学専門誌「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表されました。内容は、「この薬で心筋梗塞になる危険性が43%、また心筋梗塞か脳卒中で死亡する割合が64%も高まる」というショッキングなものでした。

 インターネットに論文が掲載されるや、米国社会に衝撃が走りました。そのとき、すでに数百万人がこの薬を飲んでいたからです。渦中の企業の株価は当日中に13%も下がり、翌日にはニューヨークタイムズ紙が大々的に取り上げ、数日後には議会の公聴会も開かれるという大騒動になりました。

 政府機関のFDA(アメリカ食品医薬品局)内部でもひと悶着がありました。FDAは日本の厚生労働省に当たるお役所です。要職についていたR.J.リャン博士は、論文発表の1年前にこの薬の危険性を知り、「重大な副作用あり」とのラベル表示を企業に命ずるよう上司に進言していました。ところが、なぜか上司の逆鱗に触れ、最終的に彼女は辞職に追いやられてしまったのです。

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