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神戸山口組・井上組長を再逮捕したのは、あの京都府警…山口組壊滅を狙う「頂上作戦」開始か?

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沖田氏も制作にかかわった山口組分裂レポート『菱のカーテンの向こう側』(サイゾー)
 

 6月13日、愛媛県である殺傷事件が起きた。先頃、神戸山口組執行部に昇格を果たしたばかりの二代目木村會幹部を、六代目山口組傘下である二代目大石組幹部が刺殺したのだ。個人間でのトラブルが原因といわれているが、上位団体が対立する最中の事件ゆえ、抗争への影響は未知数だ。

 そんななか、対立状態の“3つの山口組”に甚大な影響を及ぼす事態が起きた。ついに国家権力が山口組壊滅に向けてとも思える「頂上作戦」を開始したのだ。本サイトで予測した通り【参考記事】、6月16日、“会津小鉄会の乱”に関与した疑いで、神戸山口組の井上邦雄組長を暴力行為等処罰法違反(集団暴行)と傷害容疑再逮捕したのである。

 またそれに先駆け京都府警は14日には、大阪刑務所に服役中だった六代目会津小鉄会の馬場美次元総裁(引退)を同容疑で逮捕している。さらに、金子利典会長が率いる七代目会津小鉄会の有力幹部も同容疑で逮捕しているのではないかというのだ。この幹部は同団体のなかでも武闘派としての呼び声が高い人物だという。

 1月に京都の会津小鉄会本部で起きた乱闘は〈馬場元総裁が井上組長に依頼し、その指示を受けた神戸山口組傘下組員たちが、敵対する会津小鉄会組員たちに暴行を働いた〉という絵を当局は描きたいのであろう。そのためには、井上組長と馬場元総裁の摘発はセットでなければならなかったのだ。ある業界関係者はこうした見方をする。

「京都府警は、是が非でも一連の騒動に関与したトップとして井上組長を逮捕したかった。それも起訴まで持っていきたいはずだ。だからこそ、最初は微罪逮捕で、井上組長の拠点を管轄する兵庫県警に花を持たせ、1拘留(10日間)で京都府警が再逮捕する筋書きが決まっていたのではないか。京都府警は7年前にも、六代目山口組の高山清司若頭を恐喝事件で逮捕し服役させたという実績がある。機会があれば井上組長も引っ張りたいと考えていたところに、会津小鉄会をめぐる乱闘が起き、起訴まで持っていけるという自信があって、今回の再逮捕に踏み切ったのだろう」

 この話にある通り2010年11月18日、京都府警は、京都の建築業者から4000万円を脅しとったとして高山若頭を逮捕、のちに懲役6年の実刑が確定している。圧倒的な求心力を持っていた高山若頭の逮捕・服役が、その後の六代目山口組分裂に少なからず影響をもたらし、各組織の弱体化につながったといわれている。

 高山若頭の組織内での実力は突出しており、事実、高山若頭が逮捕された際、筆者はまだ現役の傘下組員であったのだが、総本部から特別な伝達事項が回されたのを鮮明に覚えている。

 その内容は「本家若頭(高山若頭)の事件については、あれこれ詮索したりせず、一切口にしてはならない。これを末端にまで徹底させること」というものだったのだが、筆者の知り得る限り、そのような通達が総本部から回されたのは、後にも先にもこの時だけであった。

 当時、“国策逮捕”とまでいわれ、山口組全体を揺るがす、最高幹部の逮捕を実行してみせた京都府警。その府警が今回狙いをつけたのが井上組長だった。今回の逮捕の正当性は筆者には判断できないが、暴力行為等処罰法違反と傷害で有罪となれば、最高で15年の懲役刑が下される可能性があり、決して軽いものではない。

 また、馬場元総裁を逮捕した14日、警察当局は、会津小鉄会関連のみならず、神戸山口組や、“会津小鉄会の乱”ののちに神戸山口組から分裂した任俠団体山口組の関連施設などにも一斉に家宅捜索をかけている。その捜索先である任侠団体山口組の武闘派組織の最高幹部の関係先から、愛知県警は拳銃一丁を押収している。会津小鉄会本部での乱闘に関連した、形だけの捜索なら、拳銃が発見されることはないだろう。つまりは、念入りな捜索の上、摘発できるネタを隈なく探していこうという、当局の意気込みが垣間見えるのだ。警察当局全体、つまり国家権力がその威信にかけて、山口組の弱体化、ひいては壊滅に本格的に乗り出す、まさに頂上作戦が決行されたといっていいのかもしれない。

 3つに分かれた山口組。当面は、組織同士の抗争よりも、警察当局との攻防をどのように乗り越えていくかが課題になってくるのではないだろうか。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。去年10月、初単行本『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)を刊行。山口組分裂騒動の詳細を記録した『菱のカーテンの向こう側~2015-2016山口組分裂全記録』(同)にも執筆協力している。

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