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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

急増する「おひとりさま」の「がん患者」、日頃から絶対しておくべき「備え」とは?

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー
急増する「おひとりさま」の「がん患者」、日頃から絶対しておくべき「備え」とは?の画像1「Thinkstock」より

 単身あるいは単独世帯の増加が止まらない。そう、いわゆる“おひとりさま”である。

 ということは、おひとりさまが、がんに罹患する可能性も高いということにほかならない。今回は、おひとりさまとがんについて考えてみよう。

世帯全体の約27%、65歳以上の約49%が“単家族”という事実

 6月下旬、厚生労働省から「平成28年国民生活基礎調査」が発表された。この調査は、保健、医療、福祉、年金、所得など国民生活の基礎的事項を調査するもので、3年ごとに大規模な調査が行われ、ちょうど平成28年は、11回目の大規模調査の年にあたる。

 この調査によると、平成28年6月2日現在における全国の世帯総数は、4994万5000世帯。前年(5036万1000世帯)と比べると若干減少したものの、ほぼ横ばいである。

 昭和28年と比較すると、世帯数は約3倍に増加した一方、平均世帯人員数は5.00人から2.47人と約半分に減少した。世帯構造別では、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1474万4000世帯(全世帯の29.5%)で最も多く、次いで「単独世帯」が1343万4000世帯(同26.9%)、「夫婦のみの世帯」が1185万世帯(同23.7%)となっている。

 全体としては、やや夫婦と未婚の子のみの世帯が単独世帯を上回っているが、65 歳以上の者のいる世帯のうち高齢者世帯の世帯構造をみると、「単独世帯」が655万9000世帯(高齢者世帯の49.4%)と約半数を占め、「夫婦のみの世帯」が619万6000世帯(同46.7%)を上回る結果となっている。

 このような単独世帯の増加は、まさに核家族ならぬ“単家族”社会の到来を感じさせるに十分だ。

急増する「おひとりさま」の「がん患者」、日頃から絶対しておくべき「備え」とは?の画像2

子どもや家族のいないまったくのおひとりさまが増えている

 おひとりさまといっても、死別あるいは生き別れなど、結婚後に離婚した人もいるし、生涯独身という人もいる。

 ただ、50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合である「生涯未婚率」は、年々上昇を続けており、平成27年に男性で4人に1人(23%)、女性で7人に1人(14%)と過去最高を更新した(※出所:国立社会保障・人口問題研究所の調査)。これはすなわち、頼れるべき子どもや家族がいない、文字通りまったくのおひとりさまが増えているということを意味している。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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