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【神戸山口組分裂・最新動向】ついに任侠山口組・織田代表に銃口が向けられ、死者までも! その背景に何があるのか?

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深夜になっても、事件現場に黒のセダンがそのまま残されていた。

 8月27日、六代目山口組分裂からまる2年を迎えた。任侠山口組が兵庫県尼崎市にある四代目真鍋組本部で第2回目の記者会見を行ったことは大きく報じられたが、同団体の幹部は席上、こう宣言して会見を締めくくってみせた。
 
「本日以降、神戸花隈サイド【筆者註:神戸山口組の一部の最高幹部や中核組織である山健組】の対応によっては、記者会見第三段の場を設け、再度、正々堂々と真正面から受けて立つ。(中略)今後一切、陰湿で姑息で女々しい嘘、捏造、つくり話の発信をやめるというなら、我々、任侠山口組の神戸山口組へ向けての公式記者会見は、本日限りで打ち切りたい」 
 
 神戸山口組の運営体制、特にトップである井上邦雄組長を痛烈に非難した内容の会見には業界関係者の間で賛否両論があった。
 
「ヤクザがメディア向けに記者会見を開き、『不都合な事実を公開して、弱みに付け込むぞ』という姿勢を見せるのは、どう考えてもおかしいだろう」という声もあれば、「ヤクザにも新しい時代が到来している。血で血を洗う抗争を回避させるためには、こういった方法も仕方ない側面があるのではないか」との声もあった。 
 
 その後、神戸山口組の9月の定例会に耳目が集まったが、任侠山口組の記者会見にはまったくの無反応。続いて行われた四代目山健組定例会においても、記者会見については一切触れられなかったという。
 
 この不気味なまでの沈黙について、業界関係者の一部では「もしかして、任侠山口組に対してなんらかのアクションを起こす合図ではないか」とまことしやかに囁かれていた。
 
 今回、その予測が事実になったと短絡的に述べるつもりはない。だが、事件は起きてしまった。9月12日。深夜に降り出した激しい雨がようやくおさまりを見せ始めた午前10時5分。神戸市長田区にある織田絆誠代表邸付近で撃鉄が引かれた。既報の通り、織田代表のガード役といわれる任侠山口組組員が顔を銃撃され、死亡したのだ。警察当局は、神戸山口組組員の犯行とみている。
 
 前兆は深夜にあった。神戸市内で、両団体の間でなんらかのトラブルが起きたのではないかという、きな臭い噂が駆け巡っていたのだ。どこで何が起きたのか、そもそもそれは事実だったのかも現段階において判別すらできない。だが、六代目山口組関係者の間でも、そういった話題を口にしていた人々がいたのは確かである。そうした事前のトラブルに起因し、組員殺害事件という最悪の事態につながったとまでは言わないにせよ、不穏な空気が漂っていたのは間違いないのではないか。
 
 筆者が集めた情報によると、午前10時過ぎ、織田代表を乗せた白いワンボックス車両は、ガード車両2台を引き連れて織田代表邸を後にした。先頭を走る織田代表の車両。山手幹線に差しかかるちょうどその瞬間、それを塞ぐかのように山手幹線に待機していたと見られる黒のセダンが織田代表の車両の進行を封鎖したのだ。現場を目撃した地域住民はこのように話している。
 
「黒い車が先頭を走る白のワンボックスにぶつかったかと思うと、両方から一人ずつ降りてきて、揉み合いになった。白のワンボックスの後ろの車両からもすぐに一人降りてきて、パンと銃声が一発上がり、もう一回上がった後、男性が路上に倒れていた」 
 
 その後、撃たれた男性は、11時過ぎに亡くなったことが確認され、当局もそれを受けて殺人未遂容疑から、殺人事件へと切り替えた。
 
 黒のセダンが、織田代表が乗る車両を封鎖するように接触させたタイミングといい、事件現場の状況(車両を封鎖させやすい場所で起こっている)といい、自動車の接触事故が発端として起こったトラブルとして片付けるにはあまりにも無理がある。織田代表の行動を事前に把握した上での計画的な犯行だったと考えるのが妥当だろう。
 

2度目の記者会見によるハレーション


 
「織田さんは雑誌のインタビューで、理想論として、一人も傷つけず、一人も命を落とさせず山口組を再び統合させたいと話していた。もちろん、彼なりの言い分はあるかもしれない。だけどだ、それを考えるのであれば、2回目のあの記者会見はやるべきではなかったのではないか。事実はどうであれ、あんなこと【筆者註:記者会見では、神戸山口組井上邦雄組長に対しての痛烈な批判を繰り返していた】を言われれば、誰だって黙っていられないだろう」 
 
 今回の事件を受けての、ある六代目山口組系幹部の感想である。
 
 殺人は絶対的な悪である。だが、今回の事件に対して、元ヤクザである筆者は、その是非を簡単に問うようなことはできない。なぜならば、ヤクザ社会にはヤクザ社会独自の理念や美学があるからだ。時として、暴力を行使してでも、それを貫き通す。たとえそれが法律により罰せられるとしてもだ。
 
 ただ事件現場を歩きながら、ふと著者の脳裏に思い出された話があった。それは、「若い衆がかわいそうだ」という言葉だ。
 
 再分裂した当初、織田代表のカリスマ性にスポットライトが当たる半面、「織田代表らについて行った枝の若い衆がかわいそうだ。織田代表ら幹部が抱く組織に対しての恨みつらみに巻きこまれなければいいが……」と漏らす声が神戸山口組関係者、六代目山口組関係者のみならず、他団体の業界関係者からも聞こえてきていた。結果、命を落としたのは、織田代表のガードを務める若い衆だった。
 
 今回の対立を考える上で、疑問に突き当たる。記者会見で述べられた神戸山口組井上邦雄組長による悪政が本当に行われていたのか。そして、神戸山口組を離脱した末端の組員らまで、その悪政といわれる状況を目の当たりにしてきたのか。
 
 真偽不明のこの点に疑問を抱く関係者が多いからこそ、本来であれば判官贔屓として、任侠山口組に傾きかけてもおかしくない“業界内世論”が、織田代表らを強烈に後押しするようなことがなかったような気がする。その傾向は、2回目となる記者会見を任侠山口組が行ったことでさらに強まり、「疑問が疑惑として強まっていった感覚がある」と業界関係者は口にしている。要するに、六代目山口組が分裂した際のように、共感できる内容ではなかったと話すのだ。
 
 発足当初から「脱反社(反社会勢力)」を掲げる任侠山口組。つまり、非合法な行為は一切放棄するということであろう。暴力には暴力を駆使してでも報復してみせてきたのがヤクザ社会独自の理念だったが、任侠山口組は今回の事件に対してどういった動きを見せるのだろうか。報復の連鎖へと導かれることはないように願うばかりである。
 
 深夜になっても、事件現場には犯行に使用された黒のセダンが撤収されることなく、事件の壮絶さを物語るようにそのまま残されていた。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう) 元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。去年10月、初単行本『生野が生んだスーパースター 文政』(サイゾー)を刊行。最新刊は『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(同)。

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