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舛添要一氏が警鐘、「小池百合子氏の手法はナチスに酷似」「狭量なナショナリスト」

構成=長井雄一朗/ライター
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ナチスの宣伝手法と酷似

–小池氏は、都知事と党代表の二足のわらじは可能だと言っていますが、すでにその弊害は出ています。実際、可能なのでしょうか。

舛添 私は「新党改革」の党首も務め、朝から晩まで多忙な都知事の業務を行いましたが、いずれかに専念しなければ不可能です。

–小池氏の周辺を取材しますと、一様に「小池氏は風を読むのがうまい」と評する声が聞かれます。

舛添 その通りです。小池氏は都知事としての手腕は失格ですが、その場のパフォーマンスはうまいです。小池氏もマスコミ出身ですから、マスコミを操縦することに長けています。自分がマスコミに露出し、サービスすることによって、希望の党の票が上向くと判断しているのでしょう。だから、新聞、テレビ、週刊誌も小池氏のもとにむらがっています。

 本来であれば、政治は政策で勝負すべきです。たとえば、今回の選挙では消費税増税の問題がありますが、ほとんどと言っていいほど議論になっていません。「パンとサーカス」理論で言えば、小池氏はサーカス興行主であり、マスコミはそのPR部隊です。しかし、今回に限っては裏目に出た面もあります。

–小池劇場の潮目が変わったのは、小池氏がいわゆる「排除の論理」を持ち出したことと関係していると感じます。

舛添 小池氏の政治手法は、ナチスの宣伝大臣だったヨーゼフ・ゲッベルスにそっくりです。ナチスの宣伝方法をまねたのかと思えるほど似通っています。

 小池氏は、民進党リベラル派だけではなく岡田克也氏、野田佳彦氏も排除したのは、自分より優秀な人材に来られると、希望の党の運営がやりにくいと判断したためでしょう。アドルフ・ヒトラーは大変、演説がうまく、聴衆に合わせて演説内容も変化していっています。ヒトラーの「ニュルンベルク演説」も、当時はテレビがなかったので、大衆はラジオで聴き入っていました。その結果として、ナチスの独裁を許してしまった。

 いま、小池氏がテレビを活用することによって劇場型政治を行っているところは、ナチスのプロパガンダを再現しているのです。ですから、小池氏の宣伝手法に決して騙されてはならないと心より忠告したいのです。

 ただし、やや悲観的なのは、若い人は新聞も購読していません。ネットからのニュースかテレビで情報を得ています。ドイツのワイマール共和国時代の人々は、新聞をよく読んでいました。そこに大きな違いがあり、ナチスのとき以上に小池劇場の台頭を許してしまう下地が整っている環境があるのです。

『都知事失格』を読めば、小池劇場がおかしいというのは理解できるはずですが、今の人は本を読まないので大変、心配しています。劇場型政治は今や「パンとサーカス」の源になっています。

–都民ファーストの会の音喜多駿、上田令子両都議が離党しました。

舛添 両都議は、都民ファーストの運営方針を「言論・行動統制」だと批判していますが、小池氏と最初から行動を共にした都議が、ナチスと比較する私の論考の正しさを証明してくれたと考えています。

–ナチスはユダヤ人を虐殺しました。一方、小池氏の施策では在日コリアンをはじめとする外国人に対して、自民党よりも厳しい姿勢で臨んでいるようにも見えます。

舛添 小池氏は聞き心地の良いメッセージを発信します。かつては在日コリアンを排斥する活動家とも付き合いもあり、さすがに具合が悪いということでホームページから削除しましたが、右翼にとって都合の良い政策であれば、それも受け入れるという姿勢です。

 小池氏は「寛容な改革保守」を自称していますが、その実態は「狭量なナショナリスト」です。日本会議との付き合いもありつつ、民進党右派を飲み込むことを続けていたら、なんでもありで政治がおかしくなります。

 私を失脚に追い込んだのも、嫌韓派・嫌中派です。そもそも、オリンピックを行う都市でヘイトスピーチが蔓延しているなど、とんでもないことです。決して許してはならないのです。

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