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浪川攻「金融業界のオモテとウラ」

今、証券会社のトップ営業マンが続々と転職している「ある職業」

文=浪川攻/金融ジャーナリスト
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今、証券会社のトップ営業マンが続々と転職している「ある職業」の画像1「Thinkstock」より

 IFAという職種をご存じだろうか。Independent Financial Adviser(独立系フィナンシャルアドバイザー)の略である。主に証券投資のアドバイスを提供し、証券会社に売買の仲介を行っている。と説明されても、「それは何?」と感じる人も多いかもしれない。わが国ではその歴史は浅く、メディアに登場する頻度も少ないからだが、今間違いなく個人向け証券ビジネスの地殻変動を起こしつつある、注目に値する存在である。

 11月22日、東京・丸の内の日本工業倶楽部で、楽天証券による「IFAカンファレンス」が開催されていた。会場の大広間は働き盛りの年代の男女で満席。しかし、なぜインターネット専業の楽天証券が主催者なのか。これを説明すると、IFAという仕組みが理解してもらえるだろう。

 実はIFAは証券会社の経営インフラである売買の受発注などのシステムを自前では保有せずに、仲介契約を結んでいる証券会社のシステムを借用する。この日、会場に集まった人たちは楽天証券と契約しているIFAである。

 楽天証券がIFA事業部を立ち上げたのは2008年のこと。以後、IFAの募集、育成に努め、現在、同社と契約している事業者は67社、IFA数は800名を超える。IFAは、金融商品販売法で規定された金融商品仲介の登録業者である。そのうえ外務員資格を得ていなければ営業はできない。したがって、IFAのほとんどは既存の対面証券会社を退社し独立した人たちである。

 特筆したいのは、彼らの退社前の実績である。証券営業パーソンの退社パターンといえば、厳しい営業目標に耐え切れずに脱落していくというものだったが、IFAへの転職パターンは明らかにこれとは違う。トップセールスといわれるような優秀な人材こそ、IFAに転身しているからだ。

 しかも、その動きは一向に途絶えない。たとえば、楽天証券が証券会社や銀行に勤める人材を対象として定期的に開催している「IFA説明会」には、数多くの参加者が押し寄せる。むろん、今の会社を辞めて、IFAとして独立する夢を抱く人たちである。

浪川攻/金融ジャーナリスト

浪川攻/金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。

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