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特別国会で森友疑惑の実態さらに明らかに:安倍内閣の謝罪・処分に注目

【森友問題】佐川国税庁長官が偽証…財務省、ごみ撤去見積の10倍値下げして国有地売却

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 11月22日、会計検査院は森友学園問題における国有地払い下げについて、8億円の値下げは「根拠不十分」(=不適切)と参議院予算委員会理事会で報告発表した。安倍内閣や財務省、国交省はどう反応するかが注目された特別国会であったが、「取引について、『問題ない』としてきた過去の答弁の誤りも認めず、今後の手続きの見直しを強調し、論点をそらす場面が目立った」(11月29日付毎日新聞)。共同通信による調査では75%の国民が安倍内閣の対応に納得していないと答え、次の国会でも追及が必要という声は50%以上に上る。

 本来なら国会論議のなかで決着を付けなければならない問題だが、当初財務省は「証拠書類は廃棄した」と繰り返し、官僚の紋切り型答弁が続いていたが、3月2日に参議院予算委員会で福山哲郎議員(現立憲民主党幹事長)が委員会として会計検査院に特定事項検査を求めるべきと提案した。そして8カ月後に発表された会計検査院の報告内容では、8億円の払い下げの根拠が不十分だと判断し、さらに国が森友学園に対していくつもの特例措置を取っていたことが明らかにされた。

 これを受け安倍内閣は、「今後は同様のことがないように対応する」という答弁ですませようとしているが、国民が求めているのは、払い下げ処分の間違いを認めて謝罪し、違法・不当な払い下げの実態を包み隠さず明らかにすることである。会計検査院が「不適切」と認めた国有財産の払い下げが、曖昧な処理のまま済まされれば、今後同様の措置が当たり前に行われ、立憲主義や法の下での公平な運営が保証されなくなる。

 一方、払い下げを取り消すという点では、森友学園は予定していた今年4月の開校ができず、契約上は学園用地は更地にして国の所有物へ返還することになっていた。そのため、国は6月29日、買い戻し権を行使して、同用地を国有地に戻している。ただし建造物が残り、森友学園が校舎建設を委託した藤原工業株式会社が工事代金の請求を行っている。

 この案件は、財政法9条の「国民の財産を適正な対価なく、譲渡・貸付を行ってはならない」に違反する疑いが濃い。また財務省はなぜ不当な払い下げを行ったのか、安倍晋三首相と夫人の昭恵氏の関与や不正が行われてきた疑惑の解明は緊急課題である。そこで本稿では、特別国会を通して明らかになった問題点を整理し、今後の国会論戦での課題を探りたい。

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