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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

湾岸タワマンと郊外の新興住宅地に、家は買ってはいけない?資産&住環境上のリスク

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
湾岸タワマンと郊外の新興住宅地に、家は買ってはいけない?資産&住環境上のリスクの画像1「Thinkstock」より

 家を買うときに資産価値を気にする人は少なくないと思いますが、そればかり重視すると、お金のために満足度を犠牲にすることになりかねず、それでは本末転倒です。もちろん住まいに求める優先順位は人それぞれですが、望ましい家選びとは、資産価値と満足度がバランスが良いことではないでしょうか。

 つまり、自分たちが住んでも満足できる家だけれど、必要なときには人に貸せるし売却もできる、というものです。そこで、住まい選びのひとつの視点をご紹介します。それは

1.貸して良し
2.住んで良し
3.売って良し

というものです。
 

1.貸して良し

「貸して良し」というのは、住宅ローンの返済額よりも高い家賃で貸せる物件のことです。つまり、

相場家賃―(住宅ローン返済額+管理費・修繕積立金+固定資産税・都市計画税)=黒字

となるような物件です。仮に転居の必要に迫られたときでも、ローンが負担になるどころか、むしろ助けになります。プラス収入になるので必ずしも売却しなくてもよく、資産として残すことができます。相場家賃の調べ方は簡単で、アットホームやライフルホームズ、ヤフー不動産といったインターネットの不動産ポータルサイトで検索するだけです。自分が買おうと思っている物件と同じような条件(最寄り駅、駅徒歩、築年数、間取り、広さ)で検索すれば、今募集している物件がずらりと出てきますから、おおよその家賃相場がわかります。

 次は同じ条件で、築年数だけ変更してみます。たとえば築年数の条件を解除すれば、古い物件も出てきます。築20年や30年の物件の家賃を見れば、将来はいくらの家賃になるかが想定できます。そして、その家賃で貸したとき、住宅ローンや経費を上回るか、下回るかを計算してみるのです。金利や修繕積立金などは変動要因ではありますが、将来のことはわからないので計算上は無視しています。

 なお、30年後であれば住宅ローンもそろそろ完済が見えてくるので、このタイミングならトントンか若干のマイナス程度でも問題ないでしょう。

2.住んで良し

 これは読んで字のごとく、自分や家族が満足できる家です。会社に行きやすいとか、環境が良いとか、間取りが使いやすいとか。

 たとえば私が家を買う前に住んでいた場所は、都内の一等地。徒歩5分圏内に地下鉄が3駅3路線、徒歩15分圏内まで広げるとさらにJRが2駅4路線、地下鉄も3駅3路線が加わり、合計8駅10路線が使えるという、非常に便利な場所でした。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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