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会津小鉄会会長襲撃事件勃発で分裂抗争再燃か…「2つの山口組」も動き、緊張感高まる

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金子会長が襲撃された京都市左京区の現場

 現在、京都にはまったく同じ名称で同じ代目の名門組織が並行して存在する。その組織の名は「七代目会津小鉄会」。大瓢箪といわれる代紋を使用している、伝統ある老舗組織である。

 この会津小鉄会は去年1月、七代目体制をめぐって組織が真っ二つに分裂し、片方の勢力を六代目山口組が、もう片方を神戸山口組が後押しするかたちとなった。さらに、本部事務所の争奪戦まで起きて、その際には乱闘事件にまで発展している【参考記事:神戸山口組組長に続き、幹部ら逮捕】。

 この事件の後、警察当局の介入により、双方の会津小鉄会のみならず、六代目山口組そして神戸山口組からも複数の逮捕者を出すに至り、会津小鉄会同士の衝突は沈静化していった。

 だが、事件は突如、起こった。

 神戸山口組と友好関係にある七代目会津小鉄会・金子利典会長が5月19日、京都市左京区の路上で何者かに鉄パイプなどで襲撃されるという事態が起きたのだ。金子会長ら3人は命に別状はなく、事件当日は大事をとって入院したものの、翌日には退院したと捜査関係者は話している。

 襲ったのは、いったい何者なのか。

 筆者に連絡をくれた3つの山口組のひとつで直参を務める組長は、次のような見解を示していた。

「断言できないが、顔見知りの犯行ではないかということを聞いている。となれば必然的に、もうひとつの会津小鉄会の関係者となっていくのではないか」

“もうひとつの会津小鉄会”とは、分裂後に金子会長派と対立している、原田昇会長が当主を務める七代目会津小鉄会のことだ。

2つの「七代目会津小鉄会」

 さまざまな情報が錯綜するなかで、事件翌日、まずは六代目山口組サイドが原田会長率いる七代目会津小鉄会の本部が、ある京都入りを果たしたという一報が飛び交った。一方で捜査関係者に、神戸山口組首脳陣らが金子会長率いる七代目会津小鉄会を訪問している姿が確認されている。

「金子会長派の本部事務所には、多数の高級車が詰めかけており、六代目山口組サイドからも武闘派組織が京都に入ってきてました。『去年1月に起きた乱闘事件の再来か』と危惧されましたが、神戸山口組サイドが京都に入った理由は、前日の金子会長襲撃事件だけではなかったようです」(京都の事情に詳しいジャーナリスト)

 その理由については、捜査関係者も同じことを話している。

「事件が起きた翌日の20日。服役中であった会津小鉄会前会長の馬場美次六代目会長が刑務所から出所している。金子会長は、馬場前会長の指名を受けて七代目会長へと就任しており、神戸山口組と友好関係を結んでいるといわれている。そういった関係性がある中、前日の襲撃事件の陣中見舞いも含めて、神戸山口組サイドは金子会長派を訪問したのではないか」

 そして、この捜査関係者は、馬場前会長の出所が今回の金子会長の襲撃事件につながっているのではないかという見立てをする。

「馬場前会長がこの日に出所してくることは、捜査当局だけではなく、対立する原田会長派も知っていたはずだ。そういったなかでの前日の襲撃事件だけに、犯行グループらは金子会長派への牽制を込めた襲撃だったのではないか」

 捜査関係者の話も憶測でしかない。だが、馬場前会長が出所する前日に金子会長が襲撃された。果たして、これは偶然だろうか。六代目山口組の動きも、こうした流れに符合するところがある。

「原田会長の七代目会津小鉄会の後見人は、六代目山口組若頭補佐である三代目弘道会・竹内照明会長が務めている。真相はどうであれ、仮に襲撃事件に対して、金子会長派が原田会長派に矛先を向ける可能性は否定できない。そうした動きに対する抑止力として、いち早く弘道会陣営が京都入りし、存在感を示したのではないか」(同)

 突然、起きた襲撃事件をめぐって現在、警察当局は取り締まりを強化。水面下でも、組織同士の不協和音が生じているといえるだろう。京都に再び不穏な空気が流れ始めている。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
元山口組二次団体最高幹部。2014年、所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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