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安い弁当やサンドイッチ、非表示のアレルゲン混入に要注意

文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表
安い弁当やサンドイッチ、非表示のアレルゲン混入に要注意の画像1「Getty Images」より

「なんでハムに乳が入っているのですか」
「サンドイッチの一括表示を造るときには、ハムのメーカーに書いてもらった、最新の原料規格書をきちんと確認しないといけませんよ」
「そんなことを言っても、ハムに乳が入っているなんて思わないじゃないですか」
「サンドイッチのアレルゲン表示に『乳』と書いていないので、すぐに保健所に届けて市場回収しないとだめですね」

 これは、仕入れ先の工場監査を行った時の工場品質管理担当者との会話です。

 スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの流通の監査は、品質管理の専門家が行うのではなく、店長などを経験してきた方が行うので、一括表示等の確認は行っていなかったのです。どの仕入れ先に行っても、アレルゲン等の表示ミスが多く見つけることができました。

 サンドイッチはパン、マヨネーズ、ハム、からしでできていました。パンは「小麦」、マヨネーズは「卵」のアレルゲン表示が必要です。つまり、普通に考えれば、「小麦、卵」だけでいいのです。サンドイッチに入っているハムは、安くて、ハムの形をしていればいいので、豚肉を増量するために「大豆、卵、乳の蛋白」を使用していることもあります。その場合、アレルゲンとして「乳」の表示をする必要があったのです。

 アレルゲン表示には、必ず表示しなくてはならない「特定原材料」7品目と、表示が推奨されている20品目があります。特定原材料は、患者の数が多い「乳、卵、小麦、えび、かに」と、重篤な症状に至ることが多い「そば、落花生」が指定されています。特定原材料の表示が欠けていると、市場回収する必要があります。

 チーズに小麦が入っている、大豆でできているはずの醤油に小麦が入っている、そばに小麦が入っている、卵焼きに小麦が入っているなど、一般常識と異なるアレルゲンが入っている商品が、今は数多く市場に出ています。特に、卵白、小麦を配合することで原価が安くなるので、安い弁当などは注意が必要です。

 スーパやコンビニなどのサンドイッチ、弁当は「一括表示」がされていますが、対面で温かいごはんを詰めてくれる弁当屋さんは、表示がありません。したがって、アレルゲンが気になる方は必ずお店の方に質問をして、答えに窮するお店では購入しないことが大切です。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)

河岸宏和/食品安全教育研究所代表

河岸宏和/食品安全教育研究所代表

1958年、北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。「食品安全教育研究所」代表。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハム・ソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け惣菜工場、卵加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。

「食品工場の工場長の仕事とは」

Twitter:@ja8mrx

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