「シャープ」HPより
そんな厳しい状況におかれているシャープが、太陽光発電システムの原材料となるスクラップを巡って国際トラブルに巻き込まれていたことが、関係者の証言により明らかになった。トラブルの当事者はシャープと、シリコンリサイクル事業を行う国内U社、そしてU社の取引相手である台湾企業A社だ。シャープは10年ごろ、中国企業B社から買い付けた10トンのスクラップをU社に売却。そのうちの3トンがU社からA社の元に渡ったところ、A社からクレームが寄せられたという。前出の関係者が振り返る。
「そのスクラップは、ほぼすべてがリサイクル使用に堪えない品質だったんです。激怒した台湾企業から返金を求められたU社は、シャープに金銭補填を要求。しかし、シャープは全く聞く耳を持ちませんでした」
シャープが返金に応じない間、台湾企業A社がU社を告訴する事態に発展した。
「告訴されたことを受け、U社がシャープに何度も返金を要求しましたが、同社は頑として応じませんでした。結局、政財界の有力者が介入する形となり、ようやく10トン分うち7トン分の代金がシャープからU社へ支払われました」(前出の関係者)
その際に動いた金額は、およそ7億円とみられている。なお、スクラップの売買は「シャープの倉庫に物質を置いたまま、書類の手続きだけで遂行された」(前出の関係者)といい、U社が細工をする余地はなかったという。シャープは、スクラップが低品質であると知りながら売り付けたのだろうか?
「シャープほどの大会社が、故意にガラクタを売りつけたというのは考えいくい。しかし、売買に当たっての確認不足のそしりは逃れられません。リサイクル可能という名目で低品質スクラップの売り抜けを狙った中国企業B社が、シャープを手玉に取った、というのが実態ではないか」(取材にあたった週刊誌記者)