(東洋経済新報社/佐々木紀彦)
そんな中、話題を集めている書籍が、米国の名門スタンフォード大学大学院に留学し、世界中から集まるエリートたちの生態を描いた『米国製エリートは本当にすごいのか?』(東洋経済新報社)だ。そこには、米国の大学教育や米国に世界中から集うエリートたちの様子が書かれており、なかなか垣間見られない米国大学の実態を記している点が注目を浴びている。
Amazonのレビューなどではかなりの高評価を集めている本書を、2人の気鋭の識者に、斜陽化する国内の大学事情や、自身の留学体験を踏まえて、評価してもらった。
「普通の人」にとっては参考になる留学記
<安藤至大(日本大学大学院総合科学研究科准教授)>
経済学者で、契約理論、労働経済学、法と経済学を専門とする安藤至大日本大学大学院総合科学研究科准教授に、日本の大学で教鞭を執る立場から『米国製エリートは本当にすごいのか?』を読んでもらった。
大学は斜陽産業と言われています。その最も大きな理由は、わが国の18歳人口の減少です。試しにGoogleに「18歳人口 大学進学者数」と入れて検索してみましょう。最初にヒットするのはBenesse教育研究開発センターのページです。ここを見ると、大学進学者の絶対数が、2018年あたりから結構な勢いで減少することが予想されています。