2月にソフトバンクモバイルが、3月にはNTTドコモが、5月にはauのKDDIが、それぞれ技術的な取り組み状況を発表している。だいたい2015年頃から実用化される流れのようだ。
●3〜5倍程度の速度が出る見通し
LTE-Advancedは、技術的には今のLTEの延長上にある。簡単にいってしまえば、今の通信で利用しているよりも広い帯域で通信することで、大量のデータを一気に送受信できるようにする方法だ。問題はいかに上手に帯域を束ねて利用するか、束ねた時に発生する干渉をどう解消するか、というような部分。今は各社がそのあたりを研究している段階だ。
たとえば、KDDIの場合は現段階で既存のLTEの約3倍程度の速度が見込めているらしい。ドコモは5倍の速度が出せるとしているようだ(http://www.asahi.com/business/update/0220/TKY201302190519.html)。具体的な速度としては、下り(受信)速度が1Gbps以上、上り(送信)速度が500Mbpsという速度が規格上は期待できるそうだ。だいたい家で利用している光回線くらいの速度ということになる。
●利用には対応端末が必要
LTE-Advancedのサービスが始まった場合、その高速な通信を利用するには端末側も対応していなければならない。新しい周波数に対応していたり、たくさんのアンテナを搭載している必要があるから、既存端末でソフトウェアアップデートだけで対応できるということはないだろう。
最新機能を取り込んだ端末をいち早くリリースするサムスンは、8月にはGalaxy S 4のLTE-Advanced対応版を発売する予定らしい。もちろん、これがそのまま日本で使えるというわけではないだろうが、そろそろそういう端末が出てきているようだ。
日本では今のところ、2015年度中にスタートしそうだ、ということくらいしかわかっていない。スタート後も、さらに技術的な改善やアンテナの整備によって速度向上は見込めるようだ。もし高速通信をいち早く使いたいならば、このあたりの時期に端末買い換えができるように計算しておくとよいかもしれない。
(文=エースラッシュ)