そこで、今後不足する労働力を補うために注目されているのが移民の受け入れだ。2月13日には安倍晋三首相が衆議院予算委員会でこの問題について言及。人口減少への対策として将来的に移民を受け入れるかどうかと問われた首相は、「わが国の将来や国民生活全体の問題」とした上で、国民的議論を経て「検討していく必要がある」と答弁している。
とはいえ、移民受け入れを推進したフランスなどの欧州各国の例からも、国民生活や行政、文化にさまざまな影響を及ぼすことが予想されるため、そう簡単には決められない難しい問題であるが、この問題について世間一般の人々はどのように考えているのだろうか。そこで今回、インターネット調査最大手・マクロミルの協力の下、全国の1000人にアンケートを実施した。その結果から、人々の本音を探ってみよう。
■調査期間:2014年2月27日(木)~28日(金)
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:マクロミルモニタ会員 計1,000人(20代~60代の各年代層男女100人ずつ)
<調査結果>
Q.あなたは移民受け入れ拡大に賛成ですか?反対ですか?
・賛成 23.1%
・反対 51.6%
・その他 25.3%
<解説>
結果は、移民の受け入れ拡大に「反対」と答えた人が50%以上を占めた。年代別・性別で見てみると、反対派で最も多かったのが30~40代の男性で、その割合は57%。次が60代女性で56%となっている。一方、賛成派で多かったのが60代男性の36%で、次に50代男性27%、20代男性26%、20代女性24%と続いている。50~60代男性は移民の受け入れに比較的寛容だが、30代以上の女性には反対派の割合が多いという結果となっている。
(1)移民受け入れ拡大に賛成(23.1%)
賛成派で最も多かった理由は、やはり将来的な「労働力不足」だ。「経済を立て直すためには、人口減少は死活問題」「日本国民の高齢化が進んでいるため、外国の人たちに頼らざるを得ない」といった意見が目立つ。中には「気持ちとしては反対だが、現実的に考えると賛成。子供が少ないからしょうがない」といった声もあった。