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シリアルアントレプレナー・小川浩「Into The Real vol.6」

国内ユーザー数でFacebookに抜かれたmixiの行く末と逆転策

文=小川浩/シリアルアントレプレナー
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 mixiは、現行サービスのファンを大事にして、新規ユーザーを増やすことではなく、現在のコアユーザーが使っているサービスの改善にまずは努めるべきだろう。そして、同時に(SNSとしての)mixiではない新しいソーシャルネットワーク、もしくはまったく異なるサービスを、別ブランドでつくるべきだと思う。

 企業としてのmixiは、成長が停滞し始めたSNSとしてのmixiではなく、新しい分野での新しいサービス開発を行い、経営資源を割くべきだ。mixi社内には優秀な人材も多いし、資金面でもまだまだ勝負できるだけの余裕があるはずだからだ。現在の熱心なユーザーを守りつつ、別のサービスをつくり、横展開を図っていけばいい。

サイバーエージェントの常套手段

 ある意味、この手法はサイバーエージェントの常套手段である。上場前の中核サービスであったFind Job!はいまだにmixiのキャッシュマシーン(収益源)であるが、SNSとしてのmixiが急成長すると、中心事業をSNSに切り替えたのが当時の経営陣の英断だ。ピボットの良い例だと思う。

ポテンシャルの高いmixi

 つまり僕の考えでは、mixiは

 ・現行SNSにおいては、新ユーザー獲得ではなく逃避を防ぐための従来サービスの改善を推進
 ・小規模のクリエイターとエンジニアチームを結成し、一刻も早くまったく異なるブランドで新たなサービス開発を図り、現行SNSのユーザーベッドを生かして急成長を狙う

という2点に手をかけるべきだと思う。

 マーケティングの戦略的な観点からみれば、生半可な施策をmixiブランド内で行っても焼け石に水になる可能性が高い。

 繰り返すが、就職斡旋サービスからソーシャルネットワークサービスにシフトしたmixiは、そのときの凄みを、今一度市場に見せることができる。それだけのポテンシャルをいまだに保っているはずだ。

 彼らがSNSであるmixiに、「Find Friend! 」とか「Find Pal!」のような当時の自社サービスのブランドにあやかったネーミングをしなかったのは賢明であった。ならば次の一手にも、mixiとは関係がない、革新的で刺激的なブランド名を与えて、知恵を絞り抜いた素晴らしいサービスを世に出すべきだろう。

 このアイデアをぜひ上申したい。

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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Twitter:@ogawakazuhiro

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