腕時計として時間が確認できるのはもちろん、iPhoneと連動(iPhone5以降の端末に限定)させることによって通話やメールの送受信が可能で、Facebook、Twitter、Instagramといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を使用することもできるという優れものだ。また、装着者の心拍数を表示したり、ジョギングでの走行距離や消費カロリーの計測もできるとあって、健康志向の高いビジネスパーソンにとって嬉しい機能も搭載している。
タイプは「スポーツモデル」「スタンダードモデル」「エディション」の3種あり、最も安価なもので4万2800円だが、18金ケースを使用するなどした最高級モデルは218万円という強気な価格設定でも注目を集めている。
一方、バッテリーが18時間しか持たないとのことで、ほぼ毎日充電しなくてはいけないという腕時計として大きなウィークポイントも抱えているようだ。
そんなApple Watchを今どきの10~20代の女子たちはどう捉えているのか? 東京・渋谷、原宿で50人の女性に街頭インタビューを行った。
アンケート結果
【街頭インタビューの動画はこちら】
(1)Apple Watchに興味はありますか?
・ある…14人
・少しある…21人
・ない…15人
(2)Apple Watchを買う予定はありますか?
・必ず買う…0人
・買うか検討中…6人
・たぶん買わない…28人
・絶対買わない…16人
(3)ちなみに使用しているスマホは?
・iPhone…42人
・その他(Androidなど)…8人
10~20代の女子たちの声
まず目立ったのは金額への驚きの声で、「え? そんなにするんですか?」「ほかにお金を使うものがある中で、そこに投資するのか」「(彼氏が買おうとしたら)『やめよう』っていう。お菓子とか買うお金貯める」などの本音が聞かれた。
また、「あんまり腕時計とかしないので」「今使っているiPhoneすら使いこなせていないので、買ったところで使いこなせないのはみえてる」など、そもそもApple Watchの必要性を感じないという感想も多かった。
このほかにもデザインについて、「とりあえずデザインはカワイイものがいい」「女の子が使いそうなかわいいもの出してください。サイバーっぽいやつじゃなくて」「バーバリーとのコラボで20万円だったら買う」と、厳しい評価も聞かれた。
10~20代女性の琴線に触れない?
大なり小なり興味があるという人は多いが、購入意志があると答えた人はほんのわずか。8割以上の女性がiPhoneユーザーだったことを踏まえると、「必ず買う」が0人という結果はかなり意外に感じられるが、アンケートで最も多かった「買わない理由」は「iPhoneがあれば充分」というものだった。
確かに、若い女性たちのFacebookやTwitterなどの利用率は高いだろうが、スマホは常に持ち歩いているのだから「腕時計で確認できる」ことへのメリットはそれほど強く感じなさそうである。走行距離やカロリー消費量を表示できるという機能も、普段から運動しているほうでなければ、その機能をストロングポイントと捉えにくいだろう。
また、そもそも若い女性は腕時計をしている人がそれほど多くないのが実情で、「時間はスマホで確認する癖がついている」という声が上がっていた。そして腕時計を着用している人も、「時間を確認するツール」という側面よりも「高級ファッションアイテム」として身に着けている人が多数を占めていた印象。
こうして考察してみると、Apple Watchが10~20代女性の琴線に触れないのも納得だ。
だが08年、iPhoneファーストモデルが日本で発売された当時も、購入層は30~40代の男性Appleファンがボリュームゾーンであり、若い女性たちは興味があっても実際に購入したという人は少なかった。
それから約7年が経過し、iPhoneはスマホシェアにおいて、ライトユーザーといえる10~20代の女性からも圧倒的な支持を獲得していることを考えると、数年後には腕にApple Watchを巻いた女性が渋谷や原宿の街に溢れかえっているという可能性も低くはないだろう。
(文・動画製作=昌谷大介/A4studio)