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舘内端「クルマの危機と未来」

日本車の危機、米国で走れなくなる懸念…次世代車で圧倒的敗北、日本全社でたった1車種

文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表
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日本車の危機、米国で走れなくなる懸念…次世代車で圧倒的敗北、日本全社でたった1車種の画像1三菱アウトランダーPHEV G Navi Package(「Wikipedia」より/DY5W-sport)

経産省に集まったドイツPHEV軍団

 
 次世代自動車の覇権は、どうやら広くは欧州車、狭くはドイツ車に握られたようである。少なくともプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の実権は日本にはない。

 そのことを紛れもない事実として表すイベントが開催された。2カ月あまり前の5月16日、G7激励のために東京から三重県津市まで、およそ400キロメートルをキャラバンする「EV・PHV東京-伊勢志摩キャラバン」(主催:次世代自動車振興センター、共催:三重県)である。このイベントのために日本にある電気自動車(EV)、PHEV、燃料電池車(FCV)が、経済産業省中庭に集まった。そのほとんどが欧州車であり、中心はドイツ車であった。

 PHEVに関していえば、日本製はあるにはあったが存在感は薄く、東京での展示だけでキャラバンには参加せず、津市で鈴木英敬三重県知事の歓迎の挨拶を拝聴することは叶わなかった。しかも集まったPHEVはみな重量級の車であったにもかかわらず、途中で充電もほとんどせず優秀な燃費を示した。ここに集合したPHEVのEV航続距離、ハイブリッド時の燃費、車重は以下のとおり。

・アウディA3 Sportback e-tron(52.8km、23.3km/l、1570kg)
・VW ゴルフGTE(53.1km、23.8km/l、1580kg)
・ポルシェ パナメーラS E-hybrid(36km、12.3km/l、2095kg)
・BMW X5 xDrive40e(30.8km、13.8km/l、2370kg)
・BMW 225xe アクティブツアラー(42.4km、17.6km/l、1740kg)
・BMW 330e(36.8km、17.7km/l、1770kg)
・BMW i8(35km、19.4km/l、1490kg)
・ボルボ XC90(T8 Twin Engine)(35.4km、15.3km/l、1850kg)
・メルセデスベンツ C350e(30.6km、17.2km/l、1780kg)
トヨタ プリウスPHV(旧型 展示のみ)(26.4km、31.6km/l、1410kg)
ホンダ アコードプラグインハイブリッド(公官庁フリートユーザーにリース 展示のみ)(60.2km、20.2km/l、1740kg)

 これら以外にもEVとFCVがあったが、FCVは展示のみのであった。

 また、国内ですでに販売されているが、キャラバンに参加せず展示もなかったPHEVは以下のとおり。

・VWパサート GTE(51.7km、21.4km/l、1720kg)
・メルセデスベンツ S550e(33.0km、13.4km/l、2330kg)
・三菱自動車 アウトランダーPHEV(60.2km、20.2km/l、1850kg)

 ちなみに、近々に新たに発売されるPHEVは以下である。

・トヨタ プリウスPHV(新型今秋発売予定)(60km、37.0km/l、1510kg)

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