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業績低迷企業を再生させるシンプルな方法…東大生にこっそり教え続けている講義より

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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――この方法には、出口さんの人材観がベースになっているのではないかと思います。

出口 性善説というほど大袈裟ではありませんが、どんな人でも頑張れれば何かしら力を発揮でき、まったく無能な人はいないと思っています。少し青臭いのかもしれませんが、機会と情報を平等に与えれば、誰もが主体的に考えるようになると信じています。また、実は出版社にいたときに書籍編集も担当していたのですが、入社して最初に担当した『オープンブック・マネジメント』という本の内容をヒントにしていました。担当した20代の当時は内心「綺麗ごとではないか?」なんて思っていたのですが、歳を取って曲がりなりにも自分が組織を率いる立場になったときに、読み返したのを覚えています。

――情報公開を嫌がる幹部もいるではないでしょうか。情報格差を設けることは自分の優位性を保つ手段ですから。

出口 嫌がる人もいますが、目的を説明して納得していただくようにします。情報格差をなくすことが結果的に人材を育成すると思っています。また、公開する側にとっても全てのことに説明責任を形式上だけではなくて実態上負うことになりますので身が引き締まる思いがしますし、人間同士という観点から組織内のカルチャーがフェアなものになっていくことも期待しています。

――出口さんが階層別研修プログラムなどをつくることはないのですか。

出口 それはありません。2冊目に上梓した『「困った人」の説得術』という本の内容をベースにしてコミュニケーションの取り方について自分で講義することはありますが、あくまでも個人活動の延長のおまけとしての位置づけです。

副業を解禁すべき

――これは社員の能力アップにも関係するのかどうかわかりませんが、昨今は副業を解禁する企業が増えています。他流試合を経験して幅を広げることが大義名分になっていますね。

出口 副業を解禁する意図は、今以上の給与を支払えないので、足りない分は社外で稼ぐようにというメッセージではないでしょうか。一方で、担当業務に直接的に関係していたらいけないと思いますが、少しだけ関連するような副業なら、稼ぎとしては少なくても副業で得た情報やノウハウは業務に役立つこともあると思います。たとえばゼネコンの土木系の技術職の人が、誰かが家のリフォームをする時に見積もりをチェックして交渉ポイントをアドバイスするとかです。実は(大学の出身でもある土木工学科の)友人との間で話題にしたら「俺は土木系だから建築系は関係ない」と一蹴されてしまいましたが……。もっと関係ない仕事をしている人よりは色々な情報に当たれるはずですし、関係ないからこそ業務時間外にやっていれば会社にも深刻には怒られないでしょうし、そこから得られる知見はどこかで本業に役に立つこともあると思った次第でした。

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