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進まなくても料金発生…瀕死のタクシー業界、過剰規制に守られ利用者軽視の代償

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 タクシー業界は規制緩和で台数が増え、重大事故が増加し、運転手の収入も低下したという。ただ、統計データを見る限り、その根拠は希薄だ。重大事故は規制緩和後から2007年まで減少傾向にある。事故の原因には、高齢者の運転、自転車の増加、交通事情の悪化などさまざまな要因が考えられる。また、運転手の収入の悪化は長引く不況によるところが大きい。

 しかし、タクシー業界の強い要望もあり、「行き過ぎた」規制緩和を見直し、09年に再規制へと転じた。さらに14年には自民・公明・民主3党の議員立法で、一定の要件を満たす地域で、国交省は運賃の上限・下限を決め、一部では新規参入や増車を禁じ、減車も命じることができる、という「過剰な規制強化」が実施された。

 これまで需要喚起、サービスの質の向上といった努力をタクシー業界が怠り、利用者を軽視し、規制に守られて利益を確保してきたつけが低迷を続ける要因だといえる。渋滞にはまれば、まったく進まないにもかかわらず運賃が上がる。1970年に導入された時間距離併用制運賃(例:走行速度が10km以下になった時、105秒で90円。地域により異なる)で、既得権益のように考えられているが、導入当時と比べれば信号も道路事情も大きく変わっている。

 介護タクシーや外国語を話す運転手など、新たなサービス出てきているが、運賃を含めたさらなる競争導入で事業者の淘汰が必要な業界だ。
(文=井手秀樹/慶應義塾大学名誉教授)

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