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石徹白未亜「ネット依存社会の実態」

宅配便1日1000万個で社会問題化…宅配ロッカーは物流パンクの救世主となるか?

構成=石徹白未亜/ライター
宅配便1日1000万個で社会問題化…宅配ロッカーは物流パンクの救世主となるか?の画像1ヤマト運輸の配達員(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

“物流パンク”が切迫している。楽天やアマゾンをはじめとするインターネットショッピングの普及もあり、2015年度の宅配便取扱個数は37億4493万個。単純計算で1日1000万個以上の宅配便が日本中を駆け回っていることになる(国土交通省「平成27年度 宅配便取扱実績について」より)。

 荷物の爆発的な増加に伴い再配達も増え、配送会社の負担が社会問題となっている。その“救世主”として目されるのが、宅配ロッカー(宅配ボックス)だ。4月から、宅配ロッカーの設置に政府が補助金を出すことが決定されるなど、国を挙げて物流の効率化が進められている。それに伴い、ヤマト運輸や日本郵便は宅配ロッカーの設置を拡大している。

 にわかに注目されるようになった宅配ロッカーだが、業界はどのように受け止めているのか。業界きっての老舗・フルタイムシステムの広報室に話を聞いた。

宅配ロッカーは日本生まれのサービスだった

――宅配ロッカーの事業を始めたのは、いつですか?

フルタイムシステム広報室(以下、広報) 会社としての設立は1986年ですが、弊社の原(代表取締役の原幸一郎氏)が宅配ロッカーを発明したのは83年です。

――宅配ロッカーは、「アメリカなどの海外で普及していたサービスを輸入した」というわけでなく、日本発のサービスなんですね。宅配ロッカーを発明したきっかけは、なんでしょうか?

広報 原は当時、マンションの管理会社を運営していました。その頃は、管理人室で入居者の方の荷物をお預かりしていたのですが、部屋がすぐに荷物であふれてしまっていたのです。荷物は今ほど多くない時代でしたが、当時は今よりもお歳暮やお中元などの習慣が盛んでしたから。

 当時は管理人さんが常駐していたので、夜中に居住者の方が管理人室を訪ねて、管理人さんが荷物を渡すこともありました。しかし、それでは管理人さんの負担になりますし、夜中に荷物を取りに行く入居者さんも気兼ねしてしまいますよね。そこで、「なんとかできないか」と宅配ロッカーの開発が始まりました。

 何しろ初めてのサービスだったので、配送会社さんも受け取る方も、使い方がわからず、当初は宅配ロッカーの中に電話を入れて、使い方がわからなかったりトラブルが起きたりしたときは、そこから弊社のサポートセンターに電話をかけてもらっていました。当時はまだネットがありませんでしたから。

過去にもあった、宅配ロッカーの爆発的普及

――発明から34年目になりますが、宅配ロッカーは現在どのくらい普及しているのでしょうか?

広報 集合住宅で見ると、17年4月には2万6000棟のマンションに弊社の宅配ロッカーが導入されています。半年前の16年10月には2万5000棟でした。

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