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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

人類の終末に備える種子バンク、水没の危機…食糧生産支配で莫大な利益狙う多国籍組織

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種子バンクが存続の危機


 一方、現代版「ノアの箱舟」と呼ばれる種子バンクが存続の危機に瀕している。日本では馴染みが薄い存在だが、この建設は2007年から始まり、その目的は人類がこれまで手に入れてきたあらゆる農業遺産を保護することを目的としている。

 具体的には、あらゆる国の農業にとって不可欠の役割を果たしてきた「種子」を未来のために保存しようというのである。この事業の旗振り役はノルウェー政府で、建設費の600万ユーロ(約10億円)を負担したという。

 完成した種子バンクはノルウェーのスピッツベルゲン島にある。正式名称は「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」という長いもの。運営面で全面的な資金協力を行っているのがビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金である。いわずと知れた、マイクロソフトの創業者が設立した財団だ。世界一の大富豪の座を長年にわたり保っているビル・ゲイツ氏。税制上の規則があるため、毎年15億ドルをチャリティ事業に使わなくてはならない。これまでもエイズの撲滅やがんの治療ワクチンの開発等に潤沢な資金を提供してきたことで知られる。

 そうした慈善事業の一環として、種子バンクにも資金面での支援を決めたのである。そのお陰もあり、この貯蔵庫は08年2月26日、正式にオープン。万が一、核戦争が勃発したり、地球環境の激変で世界各地から農業用の種子が絶滅したような場合でも、未来の人類は、この種子バンクの種子を使い、農業を再生できるようにするというのが謳い文句であった。

 想定通りにいけば、実に心強いプロジェクトのはずであった。そうした趣旨に賛同し、ゲイツ基金のほかにも多くの財団や企業が協力を申し出た。ロックフェラー財団、シンジェンタ財団、モンサント、CGIAR(国際農業調査コンサルグループ)などが結集し、300万種類の植物の種子が世界中から集められた。冒頭に述べたカカオの種子も保存されている。

 この種子貯蔵庫が建設されたのはスピッツベルゲン島のスバルバルという場所。北極点から1100キロメートルほどの距離にある。極寒の地であり、周りには誰も住んでいない。まさに氷に閉ざされた世界といえよう。島自体が永久凍土の一部を形成しており、マイナス18度が最適といわれる種子の保存にとっては理想的な環境と目されていた。

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